何かゲッシュの使い方で混乱されてる方が多かったので、使い方の基本原理と応用編をちょっと書きます。ちょっとね、ちょっと
まず前提ですが、ゲッシュとは神との契約で、基本等価交換です。
例えば「俺の○○する自由を捧げるから、その契約が有効な間は××の力くれよ!」というのはとてもベーシックな使い方です。
次に「俺の○○する自由を捧げるから、代わりにあいつの○○する自由も奪っておくれ!」というのもまぁまぁ普通の使い方です。禁止のゲッシュですね。ただし、これはちょっと『等価』がどこにかかるのかが難しいです。
この場合は「俺の○○する自由」と「あいつの○○する自由」が等価である必要があります。簡単に言うと、ゲッシュしか使わない魔法使いが変身魔法使い相手に「俺の変身魔法使う自由を捧げるから、あいつの変身魔法禁止にしてくれ!」はダメです。等価じゃないからですね
逆に言うと「俺のゲッシュする自由を捧げる代わりにあいつの変身魔法を禁止にしてくれ!」は等価なら通ります。でもその場でこんな複雑なゲッシュ結ぶのって難しいので、だいたい同じもの禁止にさせます。等価判定貰えるかどうかも難しいですしね
じゃあここから応用編。
引っかかった人が多かったアルケーが傷つくほど誓約が強くなる、というゲッシュで「誓約が得しかなくね?」という点ですが、これはゲッシュが「契約である」という性質に根差したハックです。
平たく言うと誓約は神を騙したんですね
一見「大切な人の負傷」と「自分の強化」という等価交換を成り立たせたかに見えて、そのタイミングと手法を指定しないことで「大切な人が傷つくほど強くなれる」という貰い得な状況を作ったんです。
神もその辺りは雑なので、「まぁでも誓約くん、大切な人が痛い目見て可哀想だし……」とパワーアップできます。
この辺りが実はゲッシュの真価というか妙で、結び方によっては「それただの得じゃん」とか言うこと結構あります。いわゆる保険契約みたいな結び方もありなんですね(そういう抜け道ないとゲッシュってかなり弱いし……)
ということで、作中では語らない裏設定に近い話でしたが、ゲッシュの本質とは『神に対する契約と騙り』です。唯一、神を騙してもいい魔法になります。対話という曖昧な形のドルイドから派生しただけあって面白いですね
余談ですが、損得表裏一体みたいな性質は、そのままゲッシュを結ぶだけで得られたりもします。これちょっと怖くて、つまり「そうなりたいけど、そうなったらその状態から下に戻る方法がない」みたいな契約になります。
現代で例えるなら、「誰でもいいから結婚したい! 代わりに離婚する自由を放棄する!」みたいな感じですね。伴侶となる方が良い人なら万々歳ですが、ひどいと地獄です。離婚もできません。みたいな
大体そんな感じです。大体ね、大体。期間とかどのくらいの自由の捧げ方なのかとかでも指定すれば効果がブレますから、絶対ではないです。現実の契約もしっかりしてるようでちゃんと読み込まないと全然対等じゃないじゃん、みたいなノリで運用されるのがゲッシュと考えていただければ幸いです