主人公の茉凜は、ひとりの少女として登場します。彼女が旅に出た理由や内面の葛藤が描かれています。
中学卒業間際に落雷事故にあっているので、高校生活は途中からであり、当然出席日数が足らず留年です。彼女は四月の再スタートを前に、こだわりつづけていた夢の正体を掴みたいと旅に出たのでした。
雷事故による損傷や後遺症については調べれば出てきますが、彼女の場合、不思議なほどに軽く済んでいます。また状況から見て、身体に入った雷は上から下を通って地面に抜けていないのではないでしょうか？ 謎が深まります。
バイクトライアルの記述については、これは作者の実体験そのままです。物心ついたときからこんな風に遊んでいました。高校生になる頃には、他にしたいことが見つかってあまりしなくなってしまいましたけど。
序盤、あえて容姿については触れません。茉凜の性格はだんだんとわかってきます。落雷事故で塞ぎ込んだりしていますが、基本的に物怖じしない大お人好しです。そして、土壇場で諦めない強い意志の持ち主です。