昨日のお話を持って、「Fairy Cage」は完結いたしました。
そこで「あとがき」のようなものをこちらに書こうと思います。
カクヨムをご利用されている皆様は、いつくらいから読書が好きだったのでしょう?
私は少なくとも小学校時代は大嫌いでした。
漫画は読んでいたんです。
目の前に絵があって、そこに台詞が書いてある。
ああ、このキャラが喋ったんだってぱっと見でわかります。
でも、文字だけを読んでも脳裏に情景が何も浮かばないのです。
今では単純に小説というものを読み慣れてないからだと一言で片付けられるのですけど、当時は本当に苦痛でしたね。
国語の授業なんかで面白くも無い話を読ませるじゃないですか。
しかも夏休みによくわからない本を読まされて、感想文を書かせるんですよ。
あんなの好きじゃない子にしてみたら虐待以外のなにものでもないですよ。
あれが読書が嫌いになる最大の原因だと思うんですよね。
最初に小説というものをちゃんと読み終えた時の事は今でもちゃんと覚えています。
友だちから面白いから読んでみろと言われて借りた「ロードス島戦記」です。
最初にOVAを見せられて、これが原作だからと言われて読むように勧められたんです。
元々映像が頭に入ってるわけですから、すぐに文章が入ってくるわけですよ。
ロードス島戦記を全話読み終えた後、私が自発的に読んだのが夏目漱石の「こころ」でした。
本自体は、中学の時の読書感想文で買ったものです。
なぜその時この本を選んだかといえば、当時大好きだった「めぞん一刻」に出てきたから。
漫画の影響で「友人Aと私、お嬢さんのお話」だと当時の私は思っていました。
少し読んで、何か違うと思って放置してしまったんですよね。
それを読み直してみたんです。
三章立ての三章目が、あの「友人Aと私、お嬢さんのお話」という事を知り、かなり驚いたのを覚えています。
小説家になろうで競竜師を書いていた頃、いつか自分も「こころ」みたいな感じの物語を書いてみたいと思っていました。
でも当時の自分は「文章を書く」という行為に全く慣れておらず、一話書き翌日読むと何を書いているのか全然わからないという事が多々ありました。
こんな状況では純文学を書くなんて夢のまた夢だなって感じていました。
今年の夏頃でしょうか。
抗竜記の後半を書いている頃です。
携帯電話のメモ帳がネタ帳になっているのですけど、その中の一つに「ゲームが題材、現実とリンクする」というものがありました。
抗竜記は10月での終わりを決めている。
次の話は来年の新年。
となると二か月分空いている。
一本は決まっていました。
それが今日から公開している「砂塵の彼方にある栄光」です。
https://kakuyomu.jp/works/16818093088405014018競竜師の時に、いつかごりっごりの競馬ものを書いてやろうと思っていまして、それがこれになります。
そしてもう一つが、「ゲームが題材、現実とリンクする」物語、この「Fairy Cage」となりました。
https://kakuyomu.jp/works/16818093086624258993元ネタは大昔のPC98のゲーム「ピクシーガーデン」というゲームです。
プロットを書く際に「こころ」をかなり意識しまして、その要素が最後の真智の独白部分になります。
この話は三つの話からなっています。
村での暮らし、都会での暮らし、真智の独白。
いざ書き始める段になり、このままでは面白くないと感じました。
そこで田舎と都会の話を交互に進めようと思ったのです。
そうすることでコントラストのようなものが付くんじゃないかなって。
三つの話が最終話で一つに繋がったら面白いんじゃないかなって。
個人的には大満足の出来だと思っています。
正直言えば、自分にもこんな話が書けるんだと、自分で驚いているくらいです。
この先、ぽつりぽつりでも良いから誰かの目に止まってくれたら良いなって今は思っています。
そして各話のタイトルになっている曲をその話のイメージソングだと思って聞いてもらえたら嬉しいですね。