F.ニコラス

――我々は怪異に巻き込まれただけだ。 明治から新たな時代の幕が開かれようとしている都――東都（とうと）。 駅近くのアパートにて大家兼探偵事務所を営む、鴉取久郎（あとりくろう）の…

殺人衝動は厭世的感情の一種の帰結だと思います。

　全知全能の女神によって管理され、その均衡が保たれている世界。 　未曽有の破壊と絶望をもたらす滅亡の権化、厄災の出現により、世界は存続の危機に陥っていた。 　踏み荒らされる大…

嘘を愛してやまない探偵少女「空言 来亜」は、街で起こる怪事件を相棒とともに解決する中で「本当の自分」と向き合ってゆく。

学生の頃、壮絶な虐めを受けていた雨束此処乃(あまつか ここの)と雲仙叶他(うんぜん かなた)の元に、当時嫌がらせをしてきていたクラスメイトから傲岸にも結婚式の招待状が送られて来た…

風観雪伎(かざみそそぎ)は登校に使う神社の参道で、衣傘飾(いがさかざり)と名乗る少女に遭遇する。衣傘は掌で口を覆って欠伸を一つし、風観を見て妖しく笑った──それも、大鳥居の笠木に…

加乃上世深(かのがみ よみ)と加乃上不深(かのがみ ふみ)は一卵性双生児の姉妹である。二人の憧れである男子、叢雲一斯(むらくも いっかく)は、姉の世深の方と付き合う事になった。出…

松前日々輝(まつまえひびき)と雪城在処(すすきありか)は家が向かい同士の幼馴染だが、お互いに小学校高学年になったあたりから、あまり話さなくなった。たまに話をしても噛み合わない歯車…

夏休みを利用して東京から東北にある祖父母の家を訪れた小学生の僕は、その近所に住む同い年の女の子と出会う。次の年にも会う約束をしたものの、結局何年も会う事が出来ないまま年月は経ち、…

空には疎らに雲が寛ぎ、地では瑞々しく芝が風に揺れる牧歌的な田舎街、【エルレンテ】。そこで僕とフロウラは隣家同士、幼馴染で育ったが、お互い歳を取るに連れてすれ違ってしまう。遂に十五…

東京の町田で暮らしていた僕は久しぶりに生まれ育った地方都市に帰郷して、中学生の頃少し交流のあったAと出会う。当初は優等生だった彼だが、どうやら就職に失敗して、今は街をぶらついてい…

小学三年生の僕は、友人のAとBに連れ立って授業後、学校の近くにあるビルの廃墟に行く事になった。五階建てのビルの最上階に着くと、そこには先客のホームレスが独り寛いでいた。

いじめを受けて他所の学校に転校する事になった偏屈な〝私〟は、転校の直前に、委員長の〝彼女〟に誘われて夏祭りに赴く事になる。そこで〝私〟が〝彼女〟の瞳の中に見たものとは......…

地方都市【ウルクローデ】に住むミィルは齢十四で【錬金術師】だった両親を失い、遺された錬金屋を継ぐ事になりました。家の歴史と錬金技術の存続を託されたミィルは......

少子化対策としての『人間機能支援』という法によって出逢わされた、ギャンブル狂いの父と精神病の母。そんな冷めた家庭に、小さい頃の僕はその家の『子』として、法によって『施設』から充て…

第二部更新始めました。 自殺判定士、曽根崎都弦は厭世的な雰囲気に似合った自殺癖の持ち主だ。 その自殺未遂のたびに、友人の六文銭村正は悲鳴を上げながら彼を救う日々を送っていた。 …