• 異世界ファンタジー
  • SF

人間をやめたい

早く人間をやめたい。大した能力もないしあらゆる物事の影響を受けすぎる。最近になって人生は、取り返しのつかないことが多すぎると思うようになった。少し前まで自分の選択に後悔することなんてほぼ無かった。その時全力を尽くして、それなりの所まで頑張ったのだから、OKと思えていたけど最近はあの時この勉強をしておけば、とか別の方面に進んでいればとか考えるようになった。それでどんどん遡っていくといつも、生まれて来なければよかったという結論に行き着く。
人生は良い時と悪い時の繰り返しで、たまに来る幸せはそれまでの苦労や我慢に見合わないささやかなものだ。
人生の中に、他人の評価軸でしか幸せになれない要素がいくつもある。そうなると、自分のこれまでの人生の選択は世間という他人の集合体が決めた軸に沿っているかいないかで、正解と不正解がはっきりわかれているということになる。何を目指しても何を学んでも個人の自由であり、幸せは多様であるというのは全部嘘だった。幸せに生きるなら求められる人間でなければならなかった。生まれた時点で色んなことが決まっているのに、無理難題だらけだと思う。早く死んで、次はもっとぼんやりした存在になりたい。妖怪になりたい。決まりも模範もない、より良い人生なんてない、誰にも生き方を習わなくて十分幸せな妖怪になりたい。
私はわがままで無能で甘ったれだからこんなことを思う。こんなに恵まれているのに気力も向上心もない。ここまで生きてくるのに全部使い果たして、今はもう何も楽しみじゃない。心身が穏やかな時も、この後また苦しむということが分かっている。自分で人生を作ることは出来ない。人生はただ波間に浮かんでいるだけ。嵐になったり晴れたりして、我々の選択や決断というのは時々流れてくる小枝を掴んでみるかどうか、位のことでしかない。それなのに、なぜ頑張らなくちゃいけない?

コメント

コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する