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小説企画に参加するにあたって 記録その①

ところでわたしはプロットが作れないタイプの字書きです……。

今回自主企画に参加した作品「人魚姫は陸に上がらない」ですが、プロットは形に残さないものの、投稿するまでどんな形で文章を書いていったかを自分のメモも兼ねて書き出してみようとおもいます。



さて、企画のルールは指定された一文で始まる作品を書くことでした。
「海へ行こうと思った。」

海が関係するお話になるわけですね。


私の場合、大抵先に登場人物を捏ねてみます。

自分のセイヘキに従ったキャラにするのが一番です。セイヘキは世界を救う。自分が物語を考える上でキャラクターにセイヘキが詰まっているのは良いことです。なぜならその方がストーリーが進んだときに可哀想かわいいし甲斐があるからです。

さて、今回の企画は文章指定なので、そこから「海へ行こうとして仲間に引き留められる、三人組み」がモチーフとして浮かびました。

ラノベ的現代ファンタジーが好きなので、彼らのプロフィール、世界観を考えるのと同時にストーリーのログライン(物語の骨)を考えます。
エンタメ的物語のログラインは概ね「だれがどう変化する話」にしておけば良いと思っています。

書き始める段階では、設定とログラインはお互いに影響しあいます。今回は「海は危険地帯……海から押し寄せてくるゾンビがいる……彼らたちはそれと戦っている……あー……死んだ恋人がゾンビになって(サイレン的な)赤い海から帰ってきてー」的な設定が浮かんできました。
それだと「恋人を失った悲しみを乗り越える」的なログラインになるわけですが今回あまりピンと来なかったです。ありきたりで自分に刺さらないな、とも言う。
じゃあ主人公達は魔法少女にしてしまおう、と内なる私が提案してきました。さて、先程の設定の再構成を始めます。
以下、浮かんだ設定です
・新人魔法少女
・海で戦うのはゾンビじゃなくて人魚だな
・変身して歌で戦う魔法少女
・海に行こうとして引き留められたのはメンターを失ってまだ未熟な一人が暴走して
・なぜ海に人魚が現れるのか、全世界なのか局地的なのか、限られた人しか認識できないのか
・人魚伝説……美しい人魚を逃がした心優しい領主の息子が居てー……でもその人魚姫は実は人食いでー
・キャラクターの名前は全員海関係の文字を入れよう

この辺りの設定をこねくり回しながらログラインは「勇気と希望を持った魔法少女が絶望する話」だなと思いました。

さて勘の良いフォロワーさんはお気付きになると思いますが、こんなん、書き始めたら絶対長くなるに決まっています。企画終わっちゃう。
それに、メス堕ち若君が終わっていないのにやたらと手を広げるんじゃ無い!一つずつ片付けなさい!と私の中のブレーキが掛かりました。

じゃあ今回は、あえてこれだけの物語を後ろに控えつつ、書き出しの練習として作品を作ろう、と思い至り書き始めました。

それと今回企画参加作品を書くにあたって、一つ自分に制限をつけることにしました。それは「極力世界観の特殊な説明をしない」ということです。
特に地の文で世界観の説明はしない。
最低限の説明と描写、そして台詞によって現代ファンタジーであることをしっかりと表現しつつ、読み手に「続きはどこだ!?」と思わせる、あたかも長編作品の一話目のような掌編を書こうと決めて、書き始めました。

さて、長くなったので続きます。

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