どーも。マラソンで無茶して休憩所でぶっ倒れた(ガチ)枝マチ乃です。
本日よりサキリビの最新話『第XVI話 姉としてのタスク』を更新致しました。
今回は咲希先輩が弟の方の侑(※以後“たすくん”と呼びます)の墓参りに行って、あの日の後悔を全てひっくるめて謝罪するという回でした。
《今回の解説(※第XVI話のネタバレを含みます)》
咲希にとってたすくんは弟であると同時に異性でもあります。つまり考え方も何もかもが別の生き物といっても過言ではないのです。だからいくら弟といえど何処まで踏み込んで良いのか、当時の咲希には分からなかったのです。ですがたすくんが自殺した事で、彼女の中の“異性”とのストッパーが外れてしまい、その矛先がやがて出会う侑へ向いてしまった…‥という訳です。
しかし今回たすくんが自殺したという現実を受け入れ、ある種の決別をしたからこそ、侑に寄せていた思いが“弟に対する愛情”ではなく“異性に対しての愛”であったと気付いた訳です。
これは愚痴なのですが、一人称での小説を書いていると主人公の心情と捉え方しか描写できない為、何故他キャラがそういった行動をするのか、その時の感情などを描写する事が出来ないので人間ドラマを書くにおいてそこが欠陥ですね……。
《今回の裏話》
今回の咲希のセリフは、実は家族で飼っていた犬に対する私の思いを脚色したものなのです。
この話を書き始める数日前の朝の事でした。
その日の朝は泣き叫ぶ姉の声で目が覚めました。駆けつけると、そこには文字通り虫の息の犬が倒れており、姉はずっと泣いてました。私は「大丈夫、数時間後にはいつも通り吠えてるよ」って励ました直後に、動かなくなりました。
出勤していた父親も急いで帰ってきて、病気かもしれないと急いで車に乗せて病院を探しました。ですが犬の身体が固くなっている事に気付き、それは死後硬直で……そこで私達は犬が息を引き取ったのだと気付きました。
正直私はペットを飼う事には反対派の人間だったので犬と触れ合うと言った事は例え向こうから来たとしても自分からは一切しませんでした。
でも犬が息を引き取った後、途轍もない喪失感と悲しみに襲われました。対して愛情を注いでいた訳でもなければ思い入れも無かったのに。昨日まで元気良くワンワン吠えて、居ることが当たり前だった犬が居ないという現実が寂しく、辛かったです。同時にペットを飼うという事の“重み”を感じました。
遺骨はリビングの見やすい位置に置いてあります。そこで私は初めてペットに「行ってくるよ」って言いました。犬が火葬に運ばれていく光景は、今でも脳裏に焼き付いています。そして玄関を出て、犬小屋があった場所がただの道となっているのを見ると、本当に居なくなったんだと気付かされます。
……短編小説並みの内容を書いてしまいましたが、そんな事があって第XVI話の内容が生まれた訳です。
近況ノートの「サキリビ更新!そのXV」にて“咲希は元々暗い過去が霞んでしまうほどやべー女にする予定でした”とみたいな事を書きましたが、何故“咲希超やべーつ”案を没にしたかというと「ペットの死」という出来事が起こった後だったからです。
なので実はストーリーの変更は急遽行われたのです。
——作者本人も咲希と同じく“死”と向き合う為に、今回の話が生まれたという訳です。
『第XVI話 姉としてのタスク』はこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/16817139558928134070/episodes/16817330656062408389