Iさんは中学時代、携帯電話を買ってもらったらしいが、その頃から奇妙な電話がかかるようになったらしい。
「何が嫌って電話口で『○○さん?』とだけ言ってきて『違います』って言ったらプチッとキレるんですよね」
それで何回か迷惑電話がかかってくるからと番号を変えてみたこともあるんですよ。でも何故か番号が変わってもしっかりと電話はかかってくるんですよ。うんざりしてきて電話がかかってくるたびに着信拒否にしていったんですがね、毎回番号を変えてくるんですようんざりしますね。
しかし問題はそこじゃなくて、いつも同じ声でかかってくることなんですよね。どうやってそこまで頻繁に番号を変えながら私にかけてきているんでしょう? なんとなくなんですが、あの電話はこの世のものじゃないような気がするんですよね。
それから少し置いて彼女は声のトーンを落として言う。
「実は……小学生時代の同級生に○○って名前の子が居たんですよ、その子と特に関係があったわけじゃないんですが、その子は小学校の途中で登校拒否になってそれきり会っていないんですよ。私に何か用があったんですかね?」
彼女は真相が分からないのだが、知りたいとも思っていないそうだ。