ある日、朝のアラームが鳴ったのでスマホを手に取りベッドから起きた。部屋の中は真っ暗であり、天気予報では晴れだったはずなのにおかしいなと思った。
まあそんな日もあるかと思いカーテンを開けた。しかし向こう側は真っ暗であり真夜中のようだった。スマホで時間を確かめるが、確かに朝七時を表示している。
おかしいなと思いながら机からメガネを取ってかけた。すると『ヒィッ』と情けない声があがった。弱い視力では真っ暗に見えていたが、視界がクリアになるとその暗さの正体が真っ黒の黒髪であることに気がついた。
窓をびっしり覆っている髪の毛から手が一本伸びてきた。そのときに意識が途切れた。目が覚めると早朝だったので、何だ、夢か? と思って窓の外を見ると、まだ薄暗い町の景色が広がっていた。
スマホの時刻はさっき命なものを見た時刻より前になっている。何だ夢かと思って一安心したところで気が付いた。目が覚めてから夢の中以外でカーテンを開けていないはずなのに窓の外が見渡せるようにカーテンが開いていた。