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書き終えて ――東京はいつも涙味 vol.5「ロータリー」


この作品を昨日のお昼に公開して、それから今朝にかけて修正や若干の変更を加え今に至ります。
今回は、それ以前に公開した他の作品と比較しても時間を要しました。
私とは異なる思考の持ち主を、一人称で描いてみたかったのです。

私は本作で「歪み」を綴りました。人間が内包する歪みです。
それだけに、過剰とならないよう注意をしました。過剰になる場面でも、その場面なりに過剰とならないよう気をつけたつもりです。

社会や所属する組織に対する考え方は人それぞれあるでしょう。ただ、そこに善悪という概念を挟み込むことで歪みが生じます。その歪みによって傷つく人たちが生まれます。ある意味、人間社会は歪みと傷によって構成されているといえるかもしれません。
その一場面を切り取ったのが本作です。ラストは、その一場面へのフォーカスから照準が遠のいていくように、ロータリーでよく見るシーンを採用しました。

1件のコメント

  • 保仁谷 裸羅さま

    学びになるコメントをありがとうございます。

    確かに、この作中には主人公の考え方や主義、主張を色濃くしました。
    そうする必要があったからなのですが、そうするためには感情のロジックみたいなものを組み立てなければなりませんでした。
    仰る通りで、そこに最も時間を費やしました。
    一週間ほどびっしり人間観察をして、やっと書き上げられました。

    お褒めいただいて本当に光栄です。身に余るお言葉、ありがとうございます。
    今後の糧にしていきます。
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