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親の罪を子は継ぐか

 エゼキエル書の第18章第20節に
『罪を犯す魂は死ぬ。子は父の悪を負わない。父は子の悪を負わない。義人の義はその人に帰し、悪人の悪はその人に帰する。 』
ってあるんですよね。
 これ自体はすごく良い教えだと思うんですけど、民間伝承だとカインの血を引く者を悪く言うことが多いのが中々不思議で興味深いです。やっぱりそこら辺はキリスト教以前の慣習法なんですかね。
 自分はベーオウルフが好きなので、(キリスト教的脚色によって)カインの子孫とされるグレンデルにまつわる話を書いた際に、その親族の名前に聖書に登場するカインの血を引く人物の名を借用しました。
 だけど、本当の彼らはカインの血を引いていようと善人だし、預言者だったり、民間伝承で天使になってたりします。でも同じ民間伝承ではアスモデウスはカインを血を引くという罪と、両親の近親相姦で生まれた罪によって誕生した悪魔なんですよね。このキリスト教以前の慣習法と聖書の教えが雑多に混ざった感じが好きなんですが、もし「なんで怪物の名前に預言者の名前が使われているんだ!」と憤慨している方がいましたら、申し訳ありません。自分は悪魔崇拝とかではなく、その作中だけ、時代背景に合わせて慣習法的要素を取り入れただけです。本当は預言者の方々を尊敬してます。本当です。

2件のコメント

  • 親の罪を子に帰することはない。これは正しいと思います。
    だけど、人々は長い年月の間に親と子が似ている考えにいたることも学んだ結果、子孫にたいする見方に影響を与えてしまったんでしょうね。
    いろんな土地に伝わる伝説は興味深いものがあります。大好きですよ。
  • 不思議ですよね。
    頭では親がどんなに悪人でも、その子供に罪はないとわかっている。だけどその子供に親の面影を見てしまい、怒りを抑えるのが難しくなる...
    何というか、この伝承の中に人間の葛藤みたいなものが込められてて好きです。
    そして、その悪人の面影を振り払うようにその子孫たちが預言者といった尊敬される人々になっているのも、人間のポジティブな可能性が詰まってて好きですね。
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