概念を壊すのは、やっぱり怖い。
枠から外れた瞬間、自分の立つ場所が一気に消えてしまう気がするし、
誰にも理解されず、静かに沈んでいく未来が見えてしまう。
自分の醜さや弱さを文章に混ぜれば、あとでその文章を読んだ自分にさえ嫌われそうで怖い。
それに、壊した言葉が誰かの痛い場所に触れてしまう可能性だってある。
だけど、壊さなければ見えない気持ちがある。
既存の形に従って安全な文章を書いても、
本当に掬いたい“名前のない感情”はそこでは息ができない。
だから怖くても、震えながらでも、少しだけ壊す。
その怖さごと、言葉にしていく。
怖いまま進むのが、たぶんこれが創作なんだ。
