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推敲の夜に。

 書いても書いても、どこかしっくりこない。
 読み返すたびに、心の奥がざわざわして、
 「こっちのほうがいいかも」「いや、やっぱり前のほうが自然かな」って、
 同じ場所を何度も行ったり来たりしてしまう。

 たぶん、答えなんてないんだろう。
 でも、どうしても見つけたくて、
 句読点の位置まで気になってしまう。
 小さな丸や点のくせに、ひとつ動かすだけで
 文の呼吸が変わるのが、こわくて、少しおもしろい。

 「これでいい」と思えた夜でも、
 次の日に読むともうだめで。
 まるで昨日の自分に「ほんとにそれでよかったの?」って
 問いかけられているみたいだ。

 推敲って、たぶん、書くことよりも孤独だ。
 でもその孤独の中で、
 言葉たちが少しずつ、わたしに寄り添ってくる。
 そうやって、また書いて、また消して、
 ため息をひとつ置いて、
 もう一度、同じ文を読み返す。

 ――ねえ、これでよかったのかな。
 そんな小さなつぶやきが、
 今日もノートの隅っこで丸まっている。

1件のコメント

  • 大いに同感。
    多分読む人は、ざっくり飛ばして読まれているんだろうと思うけど、それでも細かい句読点打ったり消したり句読点の代わりに半角スペース入れたり、文節を前後入れ替えたり、漢字はコレでよいのか? ひらがなの方が良いのか? いっそルビ打ちするかとした後読み返して、やっぱ要らないわと2・3行まとめて削除したり。

    いいよね。一番の読者の自分が納得すれば。
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