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悪役令嬢に転生しましたので(略) 78話について ネタバレ注意

本編に書いていない事を解説するのは無粋かとは思ったのですが、78話は急に少々行間説明を省き過ぎた話をぶっ込み過ぎたと反省いたしまして、『メイデン・ラバー』のお助けキャラであるフレデリカの補足説明をしたいと思います。

恋愛ゲームのお助けキャラと言う存在は、恋愛対象の情報を正確に把握し主人公に伝えると言う役目を担っております。
しかしながらその情報はゲームシステム上、普通一般人では知り得ない情報ばかりです。
それぞれのキャラの主人公に対する好感度とか休日の予定とかとんでもない情報収集能力です。
と言う事は、恋愛ゲームのお助けキャラとはその世界において、とても非凡な才能を持つ存在ではないか? と言う想定からフレデリカは生まれました。

本編登場時の態度に関しましては、ゲーム内での一見ひょうきんだけど何処か抜けているメイドキャラと言うていでローズに接しております。
エレナに対しては同じ天涯孤独と言う生い立ちに同情して、彼女の恋のアシストをする役を買って出て、その隠していた才覚を用い悪役令嬢のローズから取り巻きイケメンを離反させるお助けキャラとなるのです。

しかしながら本編ではフレデリカはエレナのお助けキャラになる事は有りません。
野江 水流となったローズと接する内に徐々に彼女本来の性格へと戻り、その才覚をローズの為に使うようになると言うキャラ設定です。


78話で書きました通り、彼女は敬愛するアンネリーゼが死んだと言う事実を幼い心では昇華出来ず、果たす事が出来なくなった想いの矛先として国に復讐する事を誓いますが、その途中に根源となった想いを自ら封印します。
それは既に目的と手段が入れ替わっていた為です。
もし根源となった想いを封印せずにローズと出会っていたら、彼女はローズの悪女化を全力を以って阻止していたでしょう。
そしてローズを母親の様に聖女へと育て上げていたと思います。

しかし、二人が出会った時にはフレデリカの心にはアンネリーゼの事などただの情報としてしか認識していませんでした。
とは言え、封印していた記憶の残り香がローズの中にアンネリーゼの面影を感じ取ったのでしょう。
方向性は真逆ですが、激しくメイドを罵る姿に『アンネリーゼと同じ魂の強さ』を感じ取り、真に仕えるべき人と無意識下で認識したのです。
この点は全力で強さを勘違いしていたローズの間違った努力の結果と言えるかもしれません。
だからそれ以降自分でも理由は分からないけれど、ローズの事が気になっていきやがてシュタインベルク家に入り込みます。

ただゲームの通常ルートではローズは悪役令嬢のままです。
その為、ゲーム中の彼女は捻くれてしまっている自分の欲求を満たしてくれる程度の存在としか認識していませんでした。
だから、ゲーム終盤に『アンネリーゼの心の強さ』なら絶対に言う筈のないローズの『弱々しい泣き言』を聞いた瞬間、ローズに対する興味が薄れてしまい徐々に離れていって最後は見捨てます。
恐らくどのエンディングでもアンネリーゼへの想いを思い出す事は一生無いでしょう。
即ちゲーム内でのフレデリカはどのエンディングを迎えようと、死後あの世でアンネリーゼと再会する事が有ったとしても、彼女の魂は救われる事は無く永久に地獄を彷徨う運命でありました。
(ゲームの世界で天国も地獄も無いだろうと突っ込み入りそうですが、ここは有ると言わせてください)

しかし、本編では悪役令嬢だったローズは野江 水流の魂を持って生まれました。
フレデリカの封印された記憶は、無意識下でその魂に対してアンネリーゼと同じ光を見出したのです。
覚えていなくとも、幼き頃に焦がれる程の強い願いの実現にフレデリカは本当の『自分』を取り戻し始めます。
それにより少しづつ記憶の封印が解け今回全て思い出した……と言う次第です。

その心境が『なんて遠回りをしたのでしょう』と言う言葉をもたらしたのでした。

なぜアンネリーゼ死亡後にすぐにローズの元に行かなかったのか? ですが、それは簡単な理由です。
幼いフレデリカは当時少なからずローズに対して、敬愛するアンネリーゼの子供と言う事に嫉妬を覚えていたからに他なりません。
ならば憎しみが直接ローズやシュタインベルク家自体に向かなかったのは何故か?
それも簡単な事で『アンネリーゼを失った家族』と言う、自分も家族を失った時の悲しみを知っているからこそ、その相手に憎しみを向ける事が出来なかった……と言う設定です。

と色々書きましたが、本編には全く関係しない話です。
ぶっちゃけて言うと『10年振りに(略)』のスピンオフみたいなこの作品のある意味メアリ―・スー的な万能キャラなので閑話や外伝でやれと言われても返す言葉が見つかりません。

実を言えば、ここ数話周囲の人間ばかりを書き本編を進めなかった事への反省で、本来78話のプロットでは普通に王様と謁見して問答を開始する話でした。
しかしながら、今回を逃すとフレデリカと言う人物について書くタイミングが最終回まで無いなと思ってしまい無理矢理ぶっ込んでしまった次第です。

次話はきちんと本編を進めます。

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