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執筆という勿れ

本業のアクセサリー制作に於いてもそうですが、私は基本正確な「設計」というものをしません。ぶっつけ本番で失敗すれば頭っからやり直し、偶然生まれるものに価値を見出すことが出来ればそれでいいというスタンスです。
ぶっちゃけ細かくプロットを練り下書きを経て最終作業に入るという、何度も同じことを繰り返すことが苦手なのです。

今回私が書いているものは「小説」というより「記憶の転嫁(もしくは添加)」かもしれません。
「執筆」というより「覚書」。記憶の内にあるものを取り出して色んな角度から眺め、傷がある部分や変色している箇所を確認しているに過ぎません。
木箱に入れたらどうだろう、落としたら割れるだろうか、そんなことを日々試しているのです。

五里霧中でも出口のない迷路でも私にとってそこは自分の部屋の中であり、一人遊びをしている子供の感覚に近いのかも知れません。
何かに応募してみたら、とのお声も掛けて頂いたのですが、私にとってそれは小学生に「一級建築士を取れ」と言われているようなもの。
基本も応用技術も持たない素人では尻込みしてしまうのです(色々と面倒くさいというのもありますが)。

そんなわけでラストまで一人でも読んでくださる方がいれば私としては大成功です。

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