こんばんは! 最近帰りが遅い上崎です。
異世界、異文化、異国の地……作品内で主人公が目の当たりにする『異空間』。
これらを描くとき、何を以て異質さを表現するのか。そのキーポイントを選ぶ作業は、異世界ファンタジー(あるいは旅行記)執筆にかかる醍醐味の一つだと考えています。
もちろん、余計なリソースを割かないために読者共通の概念(最近流行りのステータス)を流用するのも、ひとつの理想だとは思います。というより、親しみやすい作品を書きたいのなら、そうした方がずーっと楽で確実です。私だって書きたい話がそれと一致すれば、迷いなく書く自信があります。
でも。できることなら、描いた異世界を主人公と一緒に肌で感じてみて欲しい。
その願いを頭の片隅に浮かべながら、私は創作を続けています。
拙作『遙か落暉の蠍姫』では、“風景”や“建造物”ではなく、“言語”や“道具”に比重を置いています。例えば、カイトたちが乗っている風力車や、時折出てくる魔道具、そして何より、神呪を用いるときの詠唱文がそれに当たるでしょう。もっと言えば、カイトとグレンの語彙の差や、“骸/殻の荒野”などにもその影響が出ています。
伝われば良いな、くらいの話ですから、ここを読んでこう考えろ、なんて無粋なことは申しません。もし私の作品がこの先いくつも増えていったとして、それらを読むとき「今度は何に気をつけてるのかな?」程度に見積もってもらえれば良い、そんな気の長いお話です。
連載形式に慣れていないこともあって、気持ちの良い区切り方ができているか非常に不安な拙作ですが、ゆっくりとお付き合いいただければ幸いです。
次回、『異言』10話はいよいよ一章の大詰めになります。
こ こ か ら よ う や く 物 語 が 始 ま り ま す が、
……皆様、心を強く持っておいて下さい。
参考:
https://kakuyomu.jp/users/AlexTress/news/1177354054890814056 それでは、少し早いですが良い3連休を!