• 現代ファンタジー

ストームグラス

眼玉がない
暗い空洞から涙が溢れる

星空を仰いで
目一杯に煌めく星屑を溜めているのに

それは意図せず流れていってしまう

例え見えなくても
どんなに遠くの光だとしても

心には届いてしまう
心は動いてしまう

奥歯を噛み
鎖骨で息をする

行き渡らない空気が
肩から抜け棘となる

考える隙のない脳みそで
私は悲しみを描いた

波のように揺れる情緒を
さらにゆさぶるかのように
硝子体に流星群が映り込む

形にする
君に届く形にする

だからどうか苦しまないで
この不揃いな棘を愛して、信じてください。



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