• 現代ファンタジー

遺言

私は社会不適合者だからね
働かないから

だからお姉ちゃんの家に住んで
家事するよ

君を守らなきゃって
私は会社を休まなかった

精神状態が安定しないって言うから
夜勤明けでも会った

お金ないっていうから
お金を出した

歯が痛くなるくらい我慢した
目が眩むくらい走った

それでも君の望んだ時間に間に合わなかったら
私に怒るの?

待ったんだけどって
私のことは待ってくれないんだね

ごめんけど、いつもみたいに謝れなかったわ
ありがとうって笑えなかったわ

感情が隠せないと思った

逃げた

それでも、君には見えてないのかな

まだ自分のストレスの話をふっかけてくるのね

幼い時の罪で言い返さないようにしてるわたしに
まだ言い足りないのかな

ペテン師になるのも
理由があるのよ

生まれつき天使に囲まれた君には分からないね

ペテン師を知らないペテン師なんて
いない

本音を握りつぶして
埋めることが
騙すことになるのか

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