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『ガリベン魔女と高嶺の騎士』の書籍発売!

本日、『ガリベン魔女と高嶺の騎士』が全国の書店で発売されました。
もしよろしければ、手に取っていただければと思います。

また、心機一転、小説を沢山書いて投稿していこうと思います。
私はあまり、一つのジャンルにこだわらず、色々なジャンルにチャレンジして物語を作っていくので、読者側からすると、好みがまるで違うような作品を描くことがあるでしょうが、今後とも、どうかよろしくお願いいたします。

現在は他サイト(なろう)で、ちょっとエッチなTLっぽいのを書いてます。
そちらも、コンテンスト用に書き始めた作品ですが、抵抗感なければご覧ください;

他にも最近、一人称の物語を書いてないなぁと思って、一人称の物語を書きたい衝動に襲われたり、執筆停止していた作品をきちんと進めたいとか、
もう時間がいくらあっても足らないくらいですが、熱意はまるで落ちてないので、ご安心(?)ください;

3件のコメント

  • 『ガリベン魔女と高嶺の騎士』読ませていただきました。
     感想を書いたのですが……毎度のことながら、長文になってしまいました。しかも今回は超長文です。……すみません。邪魔だったら消してください。


    【文章】
    ・P9の10行目。
    『もうユーリとは逢えないのだと気が付いた時、少女は自分の恋心を拾い上げてしまった』
     詩的で非常に美しい文章で、すごく好きな一文です。

    ・P112の14行目~15行目。
    『これまでどんな感情さえも親衛騎士のマントの下であれば、抑え込むことができたはずなのに、このざわつく思いだけは、どんなに真っ赤な誇りをもってしても鎮めることができなかったのだ。』
     感情描写の表現が上手ですね。〈親衛騎士のマント〉というユーリが身に着けているアイテムを効果的に用いたこの表現の仕方は、ユーリの気持ちが真っすぐに心に伝わってきて、感情移入させられました。


    【ストーリー】
    ・全体的にレイラの心情が非常に丁寧に細かく描かれているので、ものすごく感情移入しやすい作りになってますね。

    ・P14の18行目。
    (逢いたいのに――。逢いたくないよ……。ユーリ……)
     ものすごく切ないシーンですね。丁寧な感情描写によりP14のこの時点で既にレイラに感情移入してしまっていたので、胸が締め付けられる思いでしたよ。個人的にこういうシーンは大好きです!

    ・P72の5行目~6行目。
    『冷たい夜のモースコゥブの街中で、幼馴染の二人から、徐々に大人へと戻っていく。――魔法が解けていくようだった。』
     二人の間に漂う空気間、雰囲気、無言の二人の心の機微が繊細に描かれていて、切ないシーンですね。このシーンも大好きです。こういう繊細な感情を切り取って表現できることが凄いと思います。有人さんの優れた才能だと言うほかありません。感嘆させられました。

    ・P83の11行目~P84の9行目。
     宮殿内の装飾で、自分の見た目に自信のないレイラが、こんな自分でも工夫すれば良く見えるんだ、と気づくストーリーの流れが「うまい!」と思いました。
     無理矢理感がなくスムーズな流れですし、よくこんな方法を思いつけるものだなあ、と感心させられました。

    ・P111の13行目~P112。
     レイラとレオンの慰労会のシーン。
     レイラとユーリが両想いだということは、かなり前の時点で読者にはわかるようになっていて、このシーンで小さな勘違いですれ違ってしまう二人にヤキモキさせられました。
     読者であるわたしは有人さんの手の平の上で転がされて、いいように弄ばれて、感情を揺さぶられている気分になりましたよ(笑)。感情が揺さぶられた理由は、このシーンまでの間に、丁寧な感情描写が積み重ねられているからでしょうね。

    ・P142の8行目~P144の3行目。
     レイラが初めて女の子と休日に遊んだことが嬉しくて涙を流すシーン。
     心がジーンとしました。友達がいないわたしも同じ状況になったら泣くだろうな、と想像すると鼻の奥がツーンとなりました。

    P142の15行目。
    「……楽しかったんですか……? わ、私と一緒にいて……」
     レイラのこの気持ちは痛いほど良くわかります。わたしなんかと一緒にいてもつまらないから、わたしには友達がいないんだろうな、とわたし自身が普段から思っているからです。
     ベラが今わたしの近くにいたとしたら「わたしなんか」と言ってしまったわたしのことを叱りつけるでしょうね(笑)。

    ・P192の2行目~17行目。
     ユーリがレイラを好きな理由もまた良いですね。こんなこと言われたら、大抵の女性はイチコロになるだろうと思わせる破壊力のあるシーンでした(普段どんくさい女性限定ですが)。
     これはレイラめっちゃ嬉しいでしょうね。

    ・『チビよりチビなおチビちゃん』
     ①レイラがどんくさいのは人のことをいつも最初に考える子、というレイラの性格がストーリーにうまく絡んで表現されている。
     ②レイラのそんな性格にユーリが惹かれる。
     ③ユーリが騎士を志すきっかけのストーリーにもなっている。
     短いストーリーの中で、これだけのことをされていて、内容の濃い短編になっていることが、素直に凄いと思いました。


    【キャラクター】
    《レイラ》
     自分に自信がなくて落ち込むこともあるけれど、頑張って努力する姿が好感が持てて可愛くて好きです。
     6月4日に『ガリベン魔女と高嶺の騎士』を近所の本屋に買いに行ったのですが、売り場に置いてありませんでした。しかし、この本屋はライトノベルの新刊を、いつも発売日の午後に棚に並べているので、明日には置いてあるだろうと思い、次の日に再度買いに行ったのですが、置いてありませんでした。それから数日おきに本屋に足を運び、様子を見ていたのですが、置く気配がなかったため、本を取り寄せて貰おうと思い、店員さんに話しかけました。『取り寄せ』だから本が読めるのは数日後になるだろうと思っていました。しかし売り場に置いていなかっただけで、バックヤードに置いていたらしく、その場で買うことができました。
    「ちょっと待て。6月4日に買いに行って、売り場の棚に置かれてないことを確認した時に、店員に話しかければ良かったじゃないか」とお思いになられたことでしょう。
     しかしわたしにとって店員さんに話しかけるという行為は勇気のいることでして、暫く様子見作戦をしていたのです。……という経緯があったため、読んで感想を送るのが遅れてしまいました。チキンですみません。
     この本屋は家から近所ということもあり、昔からよく行く本屋でした。売り場に本が置かれてない場合は、店にはないから取り寄せしてもらわなければならないと、ずっと思っていました。
     しかし今回のことでわかったのですが、おそらく新刊の本だったら売り場に置いていなくてもバックヤードには用意しているんでしょうね。
     今までに数百冊のライトノベルをこの本屋で買ってきたというのに『ガリベン魔女と高嶺の騎士』を購入するつい最近まで、この事実を知らずにずっと勘違いしていました。
     普通の人(平気で店員さんに話しかけられる人)からしたら「そんなこと常識で知ってて当たり前のことじゃないか」とおっしゃるのでしょうが、わたしの場合は『ガリベン魔女と高嶺の騎士』を買う時に店員さんに話しかけていなければ、未だに勘違いしていたことでしょう(笑)。
     わたしのこういう人見知りな性格が、レイラの性格と似ているからこそ、読んでいてレイラには素直に感情移入できて、大好きなキャラクターになったのだと思います。

    《ベラ》
     一見キツそうな先輩だけど、後輩に頼られると照れるところが可愛いですね。そして後輩の頼みのために動いてくれる。良い先輩ですね。
     ベラが出てくるシーンを読んでいて、ベラもいつか良い人と巡り会って幸せになってもらいたいという気持ちにすぐになっていました。その矢先にアントン部長が好きだと吐露したものだから、ビックリしましたよ(笑)。恥ずかしそうにアントン部長が好きだと言うベラが可愛くて一層好きになりましたよ。
     ベラとローザの友情のシーンも、読んでいて心が温まりました。良いシーンですね。
     P131の12行目~14行目。
    「隠しちゃダメよ。いま、あんたは変わったの。だからみんな、あんたを見てる。……分かるでしょ」
    「は、はい……」
    「見られていることを意識しなさい。女は、誰かに見てもらって、美を高めていくんだから」
     大人の女として、後輩女子に格好良く女の心構えを教えたかと思うと、その直後のP132で照れながら「先輩の命令」を言うベラ、本当に可愛いですね!


    【世界観】
    ・「モースコゥブ」「ベリャブスカヤ」「オースィニ」「ムスティスラフ」地名やキャラの名前が独特のネーミングセンスですね。それによって独特のファンタジー感が醸し出されていると思いました。

    ・P108の15行目~P109の2行目。
    『以前の結界は球形であり、結界は面を構築するのではなく、毛糸球のように、一本の魔法線がぐるぐると巻くようにして宮殿を囲っていた。そのため、魔法の線が古くなってほころび出すと、結界の隙間が生まれて冷気が入り込んできてしまう造りをしていた。これを改善するため、今回は宮殿を箱に入れるような結界になったようだ。これならば冷気も入り込みにくいし、面の構築は魔力をあまり消耗しないので修復作業も簡単になっていた。暖房魔法の近代化である。』
     等々、魔器、付呪、魔法関連の設定が独特ですね。何か有人さんなりの拘りがあるのでしょうか?

    ・P135の13行目~P136の16行目。
     病気、戦争、魔法の歴史についてのシーン。世界観の設定がしっかりしているなあと思いました。こういうところからもプロの凄さを感じました。
     一体どうすれば、こんなにしっかりした世界観を構築できるのか、わたしにはわかりません。たくさん色んな資料を読めば、作れるようになるのでしょうか? 本当に凄いです。感服しました。


    【イラスト】
     今まで散々ライトノベルの挿絵を目にしてきましたが、仁藤あかねさんの描くイラストは、美麗ですね。
     ライトノベルのイラストは、カラーの表紙と口絵はどのイラストレーターの方でも綺麗な絵を描いていらっしゃると思うのですが、失礼ながら白黒のイラストはあまり力を入れて描いていらっしゃらない、と個人的に感じるイラストというのも、今まで何度も目にしてきました。しかし、仁藤あかねさんは白黒のイラストも、アニメのセル画を想起させられるほどに綺麗なイラストを描かれますね。
    ・P27の恋する乙女の表情をしているレイラのイラスト、可愛くて好きです。右手も可愛いですね。
    ・P153の驚いているレイラも可愛いですね。やっぱり手も可愛いです。


    【その他】
    ・表紙を捲ったところで思わず笑ってしまいました。弟さんは面白い人ですね。

    ・P104の11行目~16行目。
    『それでも人は、懸命に立ち向かっていく。自分の苦しみを抱えながらも、世界に向き合って飛び続けていく。そうしなくては、人は輝けないからだ。飛ぶのをやめれば泥まみれになると知っているから。輝く人ほど、その足元は汚れてしまっているかもしれない。冷たい雪の上に素足で立っているのかもしれない。生きている限り、人は歩み続けていく。汚れた脚で、凍えた足で。それが人を磨くのだと分かっている。』
     以前有人さんの近況ノートにて、
    『私は『なにもしないこと』の、ほうが怖かったから、自分なりにもがいて自主企画などやりました。きっと、そのもがいたこと自体が、オンリーワンのエネルギーになると思います』
     と励ましていただいたことがありました。読んでいる時、この二つが重なりました。
     これは有人さんが本当に思っている考え方なんだろうなあ。この考え方のもと、足を汚しながら努力されたことが、今回の書籍化に繋がったんだろうなあ。それは本当に凄いことで、素敵なことだなあ、と思いました。
     改めて書籍化、本当におめでとうございます。


    【総評】
    ・サブキャラまでキャラ立ちするという、キャラ造形が素晴らしかったです。
     ベラだけでなく、魔術師班の第二部署の部下たちを守るため、代わりに数多の侮辱を受けていたアントンも、何気に好きなキャラです。ベラが好きになる気持ちもわかります。

    ・個人的に少女マンガのような『恋愛』ジャンルの物語は好きです。
     恋愛物にも色々な種類の物語がありますが、『ガリベン魔女と高嶺の騎士』は読んでる最中、何度も切なくなったり、キュンキュンしたりして、わたしの好みに非常に合う作品でした。

    ・アナスタシア姫との三角関係になって、途中でアナスタシア姫がレイラとユーリの仲を妨害してくる展開になるんだろうな、と思いながら読み進めていたのですが、そうはならずにレイラとユーリの純愛ストーリーでしたね。
     三角関係の恋愛ストーリーも面白いと思いますが、こういう純愛ストーリーは安心して読めるので、これはこれで好きなストーリー展開でした。
     やはり努力していたキャラクターが報われるストーリーは良いものですね。
     楽しい読書時間を過ごさせていただき、ありがとうございました。


    ・気の早い話ですが、2巻が出る予定はあるのでしょうか。2巻が出るのであれば、是非ともベラの出番を増やして欲しいです。
  • こんなにも詳細な感想を頂いて、涙を零してしまいました。
    本当に、読んでいただけたんだって、涙、止まんないです。
    ありがとうございます。
    こんなにも多くのことを書いて下さったのに、私が逆に言葉が出せないくらいに、嬉しくなって、感動して、きちんとしたこと言えなくなってます。

    質問的な箇所に回答できる部分はしていこうと思いますが、
    本作は、世界観設定がちょっと特殊で、担当様も、これはどういう世界観なんですか? と最初に確認されるほどでした。

    基盤は、ロシアをモトネタにしております。人名や地名など、ほとんどロシア由来です。
    実はロシアには行った事がないけれど、近所にあるロシア料理店が好きで、そこで世界観をぼんやりと考えて組み立てました。

    魔法などの設定は、私がずーっと昔の中学校時代に書いたシナリオが元になっていて、ちょっと独特の設定になってます。ですが、幼い頃から妄想していた設定なので、今になってもそれが息づいているのでしょうね。我ながら、伝わりにくい変な世界観だと思っているのですが、機会があればこの世界観をもっと掘り下げていきたいです。

    私の場合は、キャラよりも先に世界観から妄想するタイプなので、もしかしたら、それが独特な感覚を受けてしまうポイントかもしれません。


    私の作品は、絶対に一つ、譲れないテーマがあります。
    それが『自分が変わろうとしたら、世界は変わる』というものです。
    どんだけきつくても、世の中に向き合って歩き出す姿こそ、人の美しさだと思っています。
    以前も偉そうに言ってしまったのですが、私の根っこは、それですから、今後どんな作品を書いても、それは変わらないと思います。

    ですから、風花さんが、勇気を出して書店の方に本の場所を聞いてくれたことも、大事な一歩だって思います。その結果が、こんなに素敵な感想で、作者の私を泣かせたほどです。
    風花さんの行動も、必ず、強いエネルギーが生まれているんですよ。


    今後のストーリーは構想して、実は今も書いているのですが、二巻が出せるのかどうか、私には分からないので、みなさんの応援の声で実現できるかもしれません……。
    ベラとアントンの恋愛、そしてレイラとユーリの、まだ公然にはできない関係、アナ姫との関係や、レオンのことも、色々と書いてはおります。
    もし私に、続きを書けるチャンスを頂けたなら、私は書く気マンマンですw

    本当に、こんなにしっかりした感想を頂けるなんて私は、思っていなくて、読まれても「特に感想ない」と言われるばかりだろうと思っていたんです。
    仁藤先生のイラストのことも、よく見てくださっていて、本当に、ありがとうございます。凄く素敵な方で、私はもう、いつもラフ画を頂くたびに夢を見ているのかと思うほどでした。

    これからも頑張って小説を書いていきましょうね。
    涙で濡れてる花井有人でした。
  •  まさか泣かれるとは思いもよらなかったので、驚きました。
     普段ほとんど人と関わらない生活をしているわたしごときの行動で、人に涙を零させてしまうことがあるとは夢にも思いませんでした。
     有人さんの言う通り、わたしの行動にも強いエネルギーが伴うことがあるんだと思うと、繰り返しになりますが驚きました。本当にです。心の底から驚いています。

     わたしがカクヨムの中で出会った方々の中から、書籍化デビューされるというのが、有人さんが初めてのことでした(今のところ有人さんだけです)。
     それはつまらない日常を送っているわたしの生活の中において、非日常的なとても大きな出来事でした。
     カクヨムで出会った方の中からデビューされる方が現れた! 有人さんの書籍化作品とは、一体どんな物語なんだろう!? とわたしが勝手に猛烈に興味を惹かれて、単純に読みたかったから読んで、そして率直な感想を書きました。
     超長文になってしまったので驚かれるかもしれないな、とは思っていましたが、まさかまさか泣かれるとは思いませんでした。
     そこまで喜んでいただけたのなら、わたしの方こそ嬉しいですよ。感想を書いて良かったという気持ちで一杯で、今久しぶりに幸せな気分ですよ。


     質問に答えていただいてありがとうございます。
    ・耳慣れない固有名詞、それから世界観はロシア由来だったんですね。
     
    ・『自分が変わろうとしたら、世界は変わる』というテーマはものすごく素敵ですね!

    ・2巻が出るかどうかは未定とのことですが、出たらまた読ませていただきたいと思っております。
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