欲望は日に曝されてコンドームを拾える少年の風船遊び
文明とはすなわちゴミの異称にてコーラの缶を投げる青空
「俵万智/スモーキーマウンテンより抜粋」
俵万智が「チョコレート革命」のなかでの旅の連作で、フィリピンのスラム街を題材にして連作を発表している。
Mahal kitaもスモーキーマウンテン(ごみ山)や市場、歓楽街などを舞台にしている。
発展途上国の現状をここでは細かく説明はしないが、そこで暮らしている人たちにも家庭があり生活がある。恋愛もあるのは、日本で暮らしている私たちと何も変わらない。
家族のつながりでいえば、困窮した状況で協力しあっているので日本よりも血縁のつながりは強く感じるかもしれない。
宗教と生活のつながりも異なる。
俳句の場合、日本の自然や伝統をついでいる季語の想像力を使った表現を使うこともできる分、海外について詠むのが難しいこともある。
狐火や虹などの季語も今回は使って短歌を詠んでみた。
和歌には枕詞があり、歌人たちは自分の行ったことのない想像の土地を詠んだ。
Mahal kitaは少しだけでも、異国の雰囲気が伝われば良いと思う。
また日本のありようを別の視点から考えることになったのが、難しさでもあり、楽しさだったことをここに記しておく。
今回、特に調べや雰囲気は散文詩に近いかもしれないが、詩には使ってもいけない言葉はなく、もっと自由な発想をずっと求められ続けている。
使ってはいけないという基準ではなく、実感できる言葉かどうか。
それが大切な気がする。
7月10日