• 詩・童話・その他
  • 異世界ファンタジー

冒険者のみなさんに、金貨30枚支給しますが、あまり読まれていないかも問題について

作者の心の企画会議にて

司会/「冒険者のみなさんに、金貨30枚支給します」という看板作品が読者離れして、過疎化している問題について、検討してみたいと思います。

(まばらな拍手)


営業担当/カクヨムでは、新作を立ち上げた時、初めてのお客様がお試しで第1話はお読みいただける場合があります。

司会/そうだね。タイトルや見出しがパッとしたものがあれば、お試しでお読みいただける場合があるようだ。
近年は似たようなタイトルや見出しが増えて、飽きられやすい傾向があるようだが……。

営業担当/いわゆる「俺tueeee」や「ざまぁ」など定番の内容から、この作品は原点回帰した「恋愛モノ」の要素を押し出した作品を目指してスタートしました。

司会/女性を主人公にした作品は、カクヨムだけでなく、ラノベ業界の男性読者(中高年読者)が願望を満たすには適していないというのは、どう考えるかね?

営業担当/読者層が中高年男性と限定するのは、作品のパターンを狭めることやストーリー展開に定型にはまったものになりがちかと。

司会/お客様は定番の設定や安心のストーリーを求めつつ、変わったセリフや、キャラクターの魅力にはまりたいのではないかね?

営業担当/アイデアは秀逸だと、ほめていただいたのでこの作品をスタートしたのですが。
ベーシックインカムを取り扱う作品はあまりないからと。それを今さら、定番から外れすぎだと?

司会/まあ、落ち着きたまえ。アイデアは悪くないと私も思っているのだよ。

営業担当/はい、すいませんでした。
つまり、第1話で★をいただき、第2話目も★をいただくことで、新作と同じように目立つところに表示され、新規のお客様の目にふれるというのを繰り返されなければ、目立つことなく気づいてもらえなくなる時期が、必ずあるというわけです。
それは、どんな作品であれ同じだと思います。

司会/短編の新作を繰り返し掲載していくことで、試食コーナーのように、他の作品も読んでいただく方針もあるようだ。

営業担当/つまみ食いするには、現在は分量が多すぎるので、新規のお客様には手が出しにくい印象が強いのは、認めざる得ないところです。

司会/一話分の文字数が、文体によって長くなる回と2000字前後の回があって、読みにくいというクレームには対応したのかね?

制作スタッフ/営業部からの指示で、平均3000字程度まで軽減しました。
とはいえ、ファンタジー小説という指示に従い、設定の土台となるストーリーを紹介する回は、今でも長くなりがちという問題があります。

司会/その土台となるストーリーや登場人物と、そもそも時系列がわかりにくい、同じストーリーが何度も説明されているのが、うざいというクレームもあるのだが、どう考えているのかね?

営業担当/土台となる主人公が登場しない設定となるストーリーが書かれた回から、新規のお客様離れしがちという傾向があります。

制作スタッフ/ベースとなっているストーリーや神話という部分がわかりにくい。しかし、そこがわかってくると、やみつきになると絶賛されたので、こちらとしても気合いを入れて準備したのですが。

司会/うむ。それはそうなのだが、それでせっかくのご新規のお客様が離れては意味がない。

制作スタッフ/ベースの設定で、テーブルトーク型のRPGで遊べるぐらいやってくれたまえと言われたので、こちらとしてはかなり努力してきました。それを、それが読まれない原因だと責任転嫁されても……。

司会/悪い、少し言葉がすぎたようだ。
恋愛要素の再発見や、人生で悩んでいる人たちへのエールになる作品というコンセプトのほうは、どうなっているかね?

制作スタッフ/……いや、それが、その……。

司会/どうしたのかね?

営業担当/ライトノベルの軽快さや爽やかさという利点を、そのコンセプトが邪魔をしていて、ストーリー性が損なわれる回が不評のようです。

司会/な、な、なんだって?

制作スタッフ/小説は人生に悩んでいる人の心に届かないと意味がないとおっしゃっておられますが、悩んでいる人はそこにふれられるよりまったく違うものを読んでスッキリしたり、忘れていられる娯楽を求めているのでは?

司会/うぬぬぬ。しかしだね、麻酔コンテンツばかりでは、ごまかしきれないのではないかね?

制作スタッフ/消化不良というか、おいしくないというか……。

営業担当/途中から説教くさいというか、カッコつけている文章を減らしていったとしても気づいてもらえるかどうかですよね。

司会/途中で投げ出して放置したり、むりやりオチをつける打ちきりだけは、作者の意地で、できぬのだ!

営業担当、制作スタッフ/つまらない作品を読まされる読者がかわいそうじゃないか!


司会/君らは誇りというものはないのかっ!
全力で取り組んできた作品を、ゴミやら駄作などと決めつけて。


営業担当、制作スタッフ/(そこまで卑下してないんだけどな~、ゴミや駄作はない。登場人物たちはかわいいぞ!)


こうして、ちょっと険悪なムードの中、企画会議は休憩をはさみ、どこまで性描写が書けるのか、という議題について、心の中で、そっと話し合うのであった。

1件のコメント

  • この、会話形式の話が1番面白いです!笑
    たしかに、コンセプトがブレブレになっているような。笑、ベーシックインカムから外れてしまってる、異世界物語になっている感じがします、もはや、詰め込みすぎが仇になってるような…あっとすいません、私が出すぎた真似を。もっと、あっさりしてるか、話しを簡略化をするといいようなと私的には思いました。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する