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「本の旅」と「歓喜の歌」

「本の旅」とは作風の異なる「歓喜の歌」を書いてみました。

「歓喜の歌」は正直なところ「本の旅」よりも読みにくい作風だと思います。
ただし、どちらも短歌の許容範囲だと考えています。

薫風は万里の草を奏でけり
喫茶店ポインセチアと待ち人と

もともと自作の俳句があり、そこから短歌を再構築するように書くということを「歓喜の歌」では試みました。
「本の旅」と制作方法を変えてみた結果の作風となっております。

先ほどあげた季語「薫風」と「ポインセチア」の二句は雰囲気がちがいます。
「ポインセチア」の一句は「本の旅」の短歌に近い雰囲気ですね。
そこをどのように処理しながら二十首の連作としてまとめるかという点で、バランスを考えながら書くのが苦心した点であり、同時に楽しく書くことができました。
「本の旅」や俳句の応募作品を応援してもらった人たちに、また別の詩の魅力のようなものを伝えられたらと考えながら「歓喜の歌」は書かせてもらいました。

同じ時代に生きているこの季節にそれぞれちがう人生を生きている人たちが、それぞれの作品を発表しているのを読ませてもらって、同じ雰囲気を共有していることも感じられるのがうれしい。

「本の旅」で書かれた詩人ランボーの言葉からひとつ、ここに綴っておきます。

私は他者である

7月5日、水曜日の朝、手紙を書くように

佐々木健一

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