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劇場アニメ「ルックバック」感想(ネタバレあり)

 劇場アニメ「ルックバック」観てきました。私の住むど田舎の町では狭い劇場で一日一回しか上映されていなかったのですが、ほぼ満席でした。退場するときに後ろから「お疲れ様でーっす」と声をかけられ、振り返ると職場の後輩(ヲタク)がいて、街のヲタク全員ここに集まってるんじゃないのと思ったり思わなかったり。
 「ルックバック」は藤野ちゃんと京本さんという二人の女の子がコンビで漫画家を目指すという物語です。詳しい説明は省きますが、引きこもりだった京本さんが藤野ちゃんに外の世界に引っ張り出され、最初こそ藤野ちゃんに依存していたけれど、やがて自分のやりたいことを見つけ自分の足で社会復帰しようとします。しかしその矢先に悲劇が起きて……
 ぶっちゃけ私個人としては「百合」だと思っています。同性に対する憧れと依存、そしてそこからの脱却はBL・GLの王道ではないでしょうか。京都アニメーションの「リズと青い鳥」とか夏目漱石の「こころ」とか。私もよく自作に用いる物語構造です。ジュブナイルの王道でもあります。依存する側・依存される側の立場が実は逆だったり両方向だったりすることが途中で明かされる展開は、書くのも見るのも非常に強いエクスタシーを生みます。「ルックバック」は最高の百合でありジュブナイルでした。
 私は原作既読だったのですが、映画を観て自分が一つ勘違いしていたことに気付きました。終盤に出てくる藤野ちゃんと京本さんが出会わなかった世界線の描写を、私は藤野ちゃんの妄想だと思っていたのですが、どうやら本当にそういうパラレルワールドが存在していたようです。一緒に見に行った姐さん(ヲタクではない)が「このパラレルワールドでは、この後二人が一緒に漫画を描くようになるのかなぁ」と言っていたのですが、私は藤野ちゃんが救急車の中で言った「最近また漫画を描き始めて!」という台詞は恐らく嘘だろうなと思いました。その世界の藤野ちゃんは、小学生で完全に漫画を捨てたのではないでしょうか。どちらにしろ、二人が互いに互いを救っていたというのは間違いないと思います。
 藤野ちゃんも京本さんもめちゃくちゃ可愛かった。藤本先生の絵柄が大好きです。
 ああ……私も創作頑張ろ……

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