日野　哲太郎

東京都内にある講演会場。高名な文明批評家であるＸ氏に化けた悪魔(妖怪の女王)は、『文明の火』と題する講演を行っていた。そこに本物のＸ氏が現れ、悪魔の本性を暴露しようとした。妖怪の…

　通りすがりの出会いを前世の因縁をからめて描いた恋物語。 　商品に対するコマーシャル用の形容が氾濫するなかで、人間の美化を忘れているのではないかとの思いは、常にわたしの中にあった…

　十代の後半に書いた作品。この作品の原点は小学生時代の飼い犬の死にあったが、それはささいなきっかけにすぎない。大自然と老いた狼との対比は、『永遠』と『個』との対比でもあり、生の喜…

　わたしは中学二年生の女の子です。おじいさんは、人形づくりをしています。そのおじいさんが、十歳の誕生日にプレゼントしてくれたモモ色のドレスをきたかわいいぬいぐるみの女の子、トキ。…

　この作品はわたしの脳裏にある作中人物(今後発表する予定がある長編小説『砂の涙』の主人公)の名刺である。ストーリーは特になく、ただ彼のキャラクターが未来に何ものかを暗示している。…

　１６才の頃に書いた散文詩のような童話です。あるいは童話のような散文詩と言ってもいいかもしれません。青春の不安定な心境のなかで無意識に書かれたものなので、これに解説を加えるのは困…