〔三田寺氏〕
・三田寺政道(49)
現当主。若鷹丸の義理の祖父。
配下の国人、山之井広泰の武勇に目を付け娘の涼を後妻として送り込んだ。
血の繋がらない外孫若鷹丸とも関係は良好である。
跡継ぎの典道の器量に不安を感じている。
・三田寺典道(24)
三田寺家次男。夭逝した長男に代わり嫡男となっている。
落ち着いて物静かな人物だが瞬時の判断や果断な判断を下す事が苦手で家中からも不安視されている。
・三田寺実道(16)
三田寺家三男。若鷹丸に叔父と呼ばれることを嫌い、兄と呼ばせている。
先年元服し、兄と真逆な性質の彼を次期当主へと推す声も出始めているらしい。
・館野義典(58)
現当主、政道の傳役も勤めた重臣。
涼の輿入れに伴い家督を息子に譲り山之井へ付き従っていたが高齢の為三田寺の自領にて隠居した。
控えめで場を弁えた言動から山之井の人間からの評判も良く、隠居後も若鷹丸と交流が有る。
・小嶋孝政(44)
館野義典に代わり、山之井庄へ派遣させて来た涼の御付。
歯に衣着せぬ言動から三田寺の家臣衆の仲では評判が悪いらしいが、文官の不足する山之井では問題を起こしつつもなんだかんだと重宝されている。
〔山之井氏〕
・山之井広泰(28)
若鷹丸、紅葉丸、梅の父。
その武勇は近隣に轟いているが内政については周囲に丸投げ状態でもある。
一方で型破りな嫡男若鷹丸や問題の多い小嶋孝政を上手く使いこなす一面も持つ。
・先妻(故人)
大迫永治の娘で若鷹丸の実母。産後の肥立ち悪く亡くなった。
・山之井涼(25)
三田寺政道の娘。紅葉丸、梅の母。
後妻として山之井へ来たが実子ではない若鷹丸も実子と分け隔てなく接してくれている。
近年は跡継ぎ問題での悩みから家中に影を落としてしまっている。
・山之井若鷹丸(12)
山之井家嫡男。
母がいない寂しさから手の付けられない子供だったが令和の大学生が転生、憑依した事で癇癪が落ち着いた。
新たな母を得た事で本来の若鷹丸は消滅し、現在では転生者が若鷹丸として生活している。
幼い内から余り目立った真似をする事は自身の安全の為にも良くないと考え、極力現地の普通の子供として振舞おうとしているが上手く行っているとは言い辛い。但し、本人は気付いていない模様。
周囲は「また若様が妙なことを始めた」程度の認識で、身分分け隔て無く接する様子や妙な事が結果を出し始めた事から期待する者が多い。
・山之井紅葉丸(9)
山之井家次男。
本人の望まぬ形で家督争いの火種となってしまっているが、兄、若鷹丸との関係は良好。
・山之井梅(4)
山之井家長女。
天真爛漫で家中の軋轢を物ともせずに愛嬌を振り撒いている。
成泰も若鷹丸も梅には強く出られない。
(山之井城)
・太助(12)
光の息子。
父を戦で失い母は若鷹丸に付きっ切りになっていた為に若鷹丸に蟠りが有る。
現在は若鷹丸の推薦も有り紅葉丸の近習を務めている。
・源三郎(61)
城内に工房を持ち、城や道具の維持修繕を一手に請け負う木工職人。通称’源爺’。
偏屈な性格で扱い辛い人物と評されるが若鷹丸の猛攻の前に敢え無く陥落。
度々無茶な注文を受け、道具を作らされて来たが高齢に因り城の北に隠居した。
しかし、城の仕事が無くなった分若鷹丸からは頼み事が増え、農業改革の手伝いまでさせられている。
・狭邑|行連《ゆきつら》(41)
配下の国人、狭邑家の三男。
家を継ぐ可能性が低い事から城の守兵として勤めている。
出自、年齢、人格から守兵の纏め役的な立場に在る。
源三郎と並び若鷹丸の理解者である。領内の様々な事柄について若鷹丸に伝えた。
・増蔵(31)、利助(29)、春太(24)
城の守兵。
・米(51)
城の厨を仕切る台所番の長。
父、広泰が幼い時分には既に勤めていたらしく、城内で彼女に逆らえる者は誰も居ない。
(上之郷)
・山之井頼泰(47)
先代山之井当主の弟。上之郷山之井家当主。
若鷹丸の大叔父に当たり、一族の長老格として平時は政に明るくない当主を支え、戦の際は留守居として山之井城の城代も務める。
・山之井忠泰(24)
若鷹丸、紅葉丸の相手を良くしてくれる。色々な遊びは彼から教わった。
若鷹丸の思い付きにも割りと付き合ってくれる。
次代の山之井を支える人物として周囲からの期待も大きい。
・山之井孝泰(21)…分家次男。
・山之井昌泰(18)…分家三男。
・定吉(34)、勝吉(32)
上之郷で猟師を営む兄弟。
定吉には朝という赤子がおり、母、定吉の妻の五人で暮らしている。
人柄と腕の良さから霧丸、松吉から慕われ弓や狩りの師匠の様な立場となる。
・朝(6)
定吉の娘。梅が姉の様に慕っている。
・|光《みつ》(34)
若鷹丸付きの侍女。乳母も勤めた。
上之郷の山之井分家の更に分家の出身。実子は実家に預けている。
癇癪持ちの若鷹丸を見捨てず懸命に育てた人物で若鷹丸は彼女に非常に感謝している。
若鷹丸と太助と出逢いに伴い、家に戻る事になった。
・|頼佳《よりよし》(51)
太助の祖父で光の父。周囲に壁を作る太助に心を痛めている。
上之郷の年寄を務め、ほぼ帰農している為に名乗る事はほぼないが山之井氏の分家でもある。
(中之郷)
・誠右衛門(48)
中之郷の元年寄。代々弓を扱い山之井軍に従軍する家系で子沢山。
現在は長男に役目を譲り一線を退いている。
・路(44)
誠右衛門の妻。引っ込み思案な霧丸が役目を熟せるか不安に思っている。
・霧丸(11)
誠右衛門の七男で若鷹丸の近習。
他の兄弟と年が離れており一人で居る事が多かった為か引っ込み思案で物静かな性格。
算術や商いに興味があり寺での手習いに誘ってくれた若鷹丸に強い感謝の念を抱いている。
近習は自分一人で良いのにと思っている。
霧丸の’きり’は、これっきりの’きり’。三人の中ではブレーキ担当だがアクセル担当が二人もいるので止まらない事が多い。
近年は行商人の与平に付いて商売の勉強に出る事も多い。
・法蓮(51)…常聖寺の和尚。若鷹丸を始め山之井の若い者に手習いを教えている。
(下之郷)
・康兵衛(36)
下之郷の年寄。入り婿。
・初(34)
康兵衛の妻。
母共々竹籠編みの名人として商人にも知られている。最近は若鷹丸が考案した山之井籠生産の元締めの様な事もやらされている。
落着きが無く奇行の目立つ松吉が、若鷹丸の近習に付いたことをとても不安に思っている。
・松吉(11)
康兵衛の次男。
落着きが無く奇行の目立つ子供だったが若鷹丸の剣筋に憧れ、押し掛けるように近習となっている。
剣の稽古に並々ならぬ情念を注ぐ他、年下の面倒は良く見る一面もある。
近頃は上之郷の定吉、勝吉兄弟の下で狩りや弓の腕も磨いている。
・白木晴広(32)
稲荷神社の宮司。領内の社や祠の管理も行っている。
以前はの悩みは唐突に訪れる領主嫡男ご一行だったが最近の悩みは唐突に訪れる領主長女。
・白木|遥太郎《ようたろう》(2)
晴広の長男。梅の遊び相手。
(狭邑郷)
・狭邑行賢(46)
現当主。若鷹丸の母方の大叔父。
狭邑や落合と言った配下の国人衆に気を配る若鷹丸に期待している。妻は大迫氏の出。
・狭邑行徳(44)
当主の次弟。
・狭邑行昌(29)
狭邑家嫡男。
・狭邑蔵丸(7)
行昌長男。一つ年下の梅の面倒を見る事が多い。
・狭邑行和(25)
狭邑家次男。
・正助(55)
狭邑郷の猟師。何人か弟子を抱え既に一線は退いている。
腕は良いがやや偏屈で子供達からは恐れられていた。以前若鷹丸を北の谷へ案内した。
・順太(14)
城の守兵、春太の弟。狭邑郷の子供達の纏め役で若鷹丸達とも関係が深い。
(落合郷)
・大迫永治(44)
現当主。若鷹丸の外祖父で傳役。
自身を家臣として位置付け振舞っているが孫である若鷹丸を大きな期待を抱いている。
傳役として武士としての作法を教える他、槍の稽古も付けている。
先代の山之井領主と懇意となり娘を嫡男の嫁に出し、傘下に付く事を決めた。
・大迫幸(43)
永治の妻。若鷹丸の外祖母で狭邑家長女。
狭邑家の者は誰も彼女に頭が上がらない。勿論、大迫家の者も誰も頭が上がらない。
当然、若鷹丸も頭が上がらない。
・大迫永由(27)
大迫家嫡男。
若鷹丸の思い付きに大人が必要な時や力仕事がある時に呼び出される事の多い叔父。
本人もそれにより知見が広がるので特に嫌がらずに付き合ってくれる。その一環で風呂に嵌った。
・大迫永隆(24)
大迫家次男。
・大迫夕(16)
大迫家長女。若鷹丸に叔母と呼ばれるのを心底嫌がっている。
・太郎(13)
落合郷の子供達の纏め役で若鷹丸達とも関係が深い。
〔板屋氏〕
・板屋宗貞(26)
現当主。
近隣に武勇を轟かせている山之井広泰に対抗心を持っている。
・板屋|宗潤《そうじゅん》(44)
先代当主、宗貞の父。
出家しているが実質的な権力はまだ握っている。
落合を傘下に組み込もうと狙っていたが山之井に持って行かれてしまった。
〔その他〕
・田代屋与平(41)
田代の城下町を本拠とする行商人。
山之井川流域を商圏にしている唯一の行商人であり、堅実で安定した商売を代々行っている。
籠や炭といった新たな産物を生み出す若鷹丸に大きな期待を寄せている。
・光繁(38)
実野の山々に暮らす山の民の長。嶺の父。
山之井を介して与平と取引がある。仲介した若鷹丸に感謝している。やや、そそっかしい。
・嶺(12)
光繁の一人娘。父に似てややそそっかしい。
山で仲間と逸れたところを若鷹丸に助けられる。
以来、若鷹丸と行動を共にする事が増える。梅とは相性が悪い。