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【大事なお知らせ】筆を折ることとなった経緯と、あとがき

皆さま、お久しぶりです。この冬いろいろとあってだいぶ遅くなりましたが、久々の近況ノート更新です。
今回は大事なお知らせがありまして、この度カクのを辞めることにしました。

突然な話で申し訳ありませんが、実は拙作『俺のチートって何?』でルーノール戦を描いていた頃から既に考えていました。
この辺りで自分の表現したいモノの媒体が、はたして小説でいいのか悩んでいたんです。小説はやはり心理描写や比喩、暗喩を愉しむものであって、バトルアクションを表現するには向いていないんじゃないかと。特にバトルの規模が大きいほどその傾向を強く感じて、フィルバンケーノ戦では大分苦しみました。自分が想像する戦闘のスピード感、規模感、緊張感がちゃんと伝わっているのか自信がなく、今の完成形も納得してないままだったりします。

戦闘シーンは私が物語を書く二番目の理由であり、欠かせないものです(一番はもちろんストーリー)。
なので今一度、自分の表現の媒体は何が適切なのか模索したいのです。
それは漫画か、漫画動画か、はたまたサウンドノベルか、ひょっとしたら既存のコンテンツには無いかもしれません。
とにかく色々挑戦して、自分に合った形にしていきたいと思っています。
既に漫画の方には手を出していて、液タブで『俺のチートって何?』の渡辺vs神(幼女ver)を描いたりしてます。やはり戦闘シーンは絵で表すと自分の中でしっくりと来ますね。衝撃波とかスピード線とか地面のヒビを描くのが地味に楽しい。

というわけで、筆を折る形とはなりますが、ヨムのは継続するつもりです。
やっぱり自分には思いつかないストーリーを読むのは面白いですし、勉強にもなりますので。



さて、今後の活動についてはここまでにして、作品ですね。
楽しみにしていた方々には本当に申し訳ないのですが『俺のチートって何?』はダイジェストで結末までまとめて完結とさせていただきました。
基本的にメインキャラの活躍のみを描き、中盤の話を飛ばしてサブキャラは諦めた内容になってます。
四大勇者vsアクアリット戦、カトレアがフィォレンツァを認めるまでの話、フィオレンツァとシーナが宿命から解放される話、再会した渡辺と匠の会話、記憶を取り戻したメシュの戸惑いなどなど、書きたかったものをたくさんカットしてます。
特にアクアリットの侵攻によって何百万人もの人々が一度に死亡し、戦えるキャラもオルガと渡辺だけになった絶望的なシーンをちゃんと書けなかったのは心残りです。

胸を張って完成と言える形ではありませんが、とりあえずこの作品で自分が何をしたかったのかは十分伝わるかと。



最後にあとがきです。あとがきなので以下は作品を完読してから読んでもらいたいです。



さて、『俺のチートって何?』はいかがだったでしょうか?
初めてのオリジナル小説ということもあり、至らない点が多かったと思いますが楽しんでいただけたのなら幸いです。

― 作品を書き始めた理由 ―

実は当初、異世界転生モノを書く予定ではありませんでした。
元々は普通のファンタジー?ものを書こうとしていたんです。人間と多種多様な獣人やモンスターが共に暮らす世界で、大きな街の外には白い砂の海と天まで伸びる巨大な柱が数本聳え立つだけ、みたいな世界観の。

それがちょうどこの頃に異世界転生あるいは転移もののアニメが話題になり始めまして、最初は『なんかその場その場で思いついた話を片っ端から盛り込んでるだけに見える作りだなあ』と他人事だったんですが、昔からあった自分の好きな作品まで「知識チート要素があるからなろう系」だの「主人公が複数の女の子から好かれてるからなろう系」だの言われ始めて無視できなくなったんですね。

何と言いますか、その作品に含まれる要素だけ聞いてすべてを知った気になった方が増えたなと。おそらくSNSの発展で自分の意見を持たなくなった方が増えた影響じゃないかと予想してます。エコーチェンバー現象ですね。
ハーレム、勇者、チート、転生、転移 = なろう系 ではないんです。昔からこれらの要素を含んだ作品は存在しましたし、それでいて多くの方が嫌悪感を抱くような内容ではありませんでした。嫌悪感がある場合も狙ってやってる場合がほとんどです。
結局のところ、これらの単語ってガワだけを示した記号でしかなてく、その中身に込められた意味まではわからないんですよ。
例えるならハーレムや勇者はあくまで食材であって、作者はこれらの食材を使って独自の調理法、味付けを行うわけです。
知らない人が買ってきた食材から、出てくる料理種類とその味付けを100%当てるのは難しく、食べてみるまで美味しいか不味いか判断できないはずです。

それを伝えたいと思って書いたのが本作でした。


― 要素を使う上で気を付けたこと ―

さて、ただやみくもに食材を鍋の中に入れても美味しい料理はできません。食材をどの程度の大きさに切り分けるのか、食材の組み合わせからどのスープと一番馴染むか考える必要があります。
異世界転生もハーレムも勇者も、それぞれを独立した設定にするのではなく、それぞれがお互いに関係し引き立たせる設定づくりを心掛けました。


― バトルについて ―

本作を読んだ方々には十分過ぎるほど伝わってると思いますが、私は戦闘シーンが大好きです。特に序盤は地味だったのがだんだんとインフレしていくのがたまらなく身悶えします。今の段階でこんな戦いしてるなら今後どうなっていくんだろうとワクワクするんです。
本作でも主人公たちのステータスが最終的にレベル百万相当のものにまで達して大規模な戦いを描けたので満足しています。
インフレが好きじゃない方がいらっしゃるのも重々承知してますが、こればっかりは譲れないこだわりですね。


― 最後に ―

この作品はとにかく言いたいことを伝えようというのを意識しているので、結構ストレートにテーマを表現してますがいかがだったでしょう? もし少しでも何か響くものがあったなら作家冥利に尽きるというもの。
って、実は言うと既にこの作品に影響された方がいらっしゃるようなのです。いや、まさかそんなことがあるわけと、自分でも思いましたが何度かやり取りしたメッセージの雰囲気から本気具合が伝わり、本心なんだと受け取りました。作品に対する感想も毎回丁寧で、モチベーションを保つ大きな助けになってくれていました。それがなければダイジェストももっと簡素な内容になっていたと思います。ほんっとうにありがとうございました。

もちろん、読者の方々全員にも。
こんなクセの強いパクチーみたいな作品を読んでもらい感謝しかありません。



話したい内容は以上になります。
これからは単なる一読者として、皆様の作品を読ませていただきますので、よろしくお願いします!
あ! 近況ノートぐらいは更新するかもです!
それでは、また!

4件のコメント

  • お疲れさまでした。
    久しぶりに更新されたと思ったらダイジェストで完結となっていて、驚いて近況ノートを覗いた次第です。
    筆を折られるのはとても残念ですが、ご本人が決める事なので尊重いたします。
    確かに文字だけだと戦闘シーンの表現はどうしても限定されますし、ビジュアル化したい気持ちはよく分かります。私も非常に拙いながら自作のイラストなどを描いているので、漫画など動きのある絵を描くのが如何に難しいか実感として理解しています。
    小説家になろうですが、知り合いの作者で自作のコミカライズに挑戦されている方がいらっしゃいます。その方も元々ビジュアル化が目的だったとの事です。
    なのでカーマインさんもご自分の納得いくように色々突き詰めていくといいと思います。もしコミカライズが出来たら告知して頂ければ読みに行きます(笑)

    今後とも頑張って下さい。応援しています!

  • ビジョンさん、お久しぶりです!

    突然の完結で驚かせてしまい、すみませんでした。

    そうなんですよね……特に魔法みたいに実在しないものを文字で表現するのが難しい……。
    これは自分自身が漫画やアニメの方で育ってきたところも大きいと思ってます。ちゃんと小説を理解している方なら上手い具合に調整して文章に落とし込めるのかなと。
    実際ビジョンさんが描く戦闘はとてもわかりやすく状況が伝わってくるんですよね。フィクションな動きなのにそのシーンがすんなり頭の中に入ってくる感じです。自分もこの境地に至りたかった……。

    読みに行く宣言ありがとうございます(笑)。
    コミカライズするとしたら、元々書く予定だった方の物語になると思います。
    2年近く経ってどんな設定にしてたか完全に忘れてしまっていたんですが、メモ見てビックリすっごい面白い世界観じゃんとなりまして、これは何かしら形にして世に出すつもりです。

    さて、長い間本作にお付き合いしていただきありがとうございました。
    ダイジェストとはなりましたが、込めた熱量はそれまでと同じなので是非最後まで読んでいただければなと思います。

    あ、これからもビジョンさんの作品は読みに行きますよ!
  • こんにちは!

    まずは最初に、完結お疲れ様でした!
    ダイジェスト版ではありますが、かなり量があるようですので、後日しっかり時間を取ってがっつり大事に読ませて頂こうと思います。

    何度もお伝えしてきましたが、もう一度。
    カーマインさんのこの小説は、私が異世界転生を書きたいなと思うきっかけになった作品です。
    そうでなければ、「世界のばんか」を世に出すことは永遠に無かったでしょう。
    本当に出会えて良かったと思っております。ありがとうございます!(というか、このノートに書いてある、この作品に影響受けた人云々は、私……ですかね。すっごい照れますね!違ったら滅茶苦茶自意識過剰……逃げたい!)

    元々小さい頃からジャ〇プとか諸々、バトル系漫画をよく読んでいて、バトル系の物語は好きだったのですが、この作品はそれに通じるものがあって毎回楽しんでおりました。
    わくわく出来る作品というのは、それだけで嬉しいものです。
    ちなみに、私もインフレしていくの大好きです(笑)。


    私事ではありますが、私は昔小説をあまり読まない人間でした。嫌いではないけど、好きでもない……みたいな人間で。
    そんな私が、今ではファンタジー小説を本格的にがっつり読むことになったのは、小説でも爽快で痛快で熱く燃え滾るバトルものがここまで書けるんだ!凄い!と思ったことにありました。
    漫画という絵ではなく、文章という小説でも書ける。
    むしろ、漫画にはない、漫画ではこれは書けない、と思えるこれほどまでの「絵」が書けることに感動したことにありました(自分がまるで絵が書けないからこそ衝撃を受けた、というのもあるんですが。そして、漫画にしかこの絵は描けないと思うものも当然あります)。

    カーマインさんの、文字という媒体で書かれるバトルにも、それを感じておりました。

    熱く、重く、けれどスピード感に溢れ、手に汗握る様な緊迫感溢れる壮絶なバトルシーン。心と心が激しくぶつかり合い、昇華されていくこの躍動感。
    そして、絶望から這い上がり、死闘の果てにもぎ取った何よりの達成感。
    毎回毎回読むたびに、ドキドキしながら読ませて頂いて、ずっと感動しておりました。一喜一憂しながら、物凄い勢いで心を振り回されていく感覚も楽しんでおりました。
    毎回苦しみながらも、一つ一つを大切に描かれているだろう戦闘シーンは、この物語は、間違いなくカーマインさんが生み出した最高傑作だったと思います。スケール感が本当、半端なかったです。

    だからこそ、筆を折られると聞いた時は大きな衝撃を受けました。
    やはり未だに残念という気持ちが強いです。最後まで味わいながら読みたかった……。

    それでも、ダイジェスト版という形で、最後まで書き切って下さったことには本当に感謝しております。
    今から、彼らの結末がどうなったのか。すっごい楽しみです。緊張で震えていますが、もう楽しみで仕方がありません。

    そして、今は漫画を描かれているとのこと。
    小説で読めないのは残念ですが、カーマインさんが納得される形でこの物語を導いていって欲しいと思います。
    色んな媒体に挑戦されようとしていることには、心の底から脱帽します。凄い……。
    ……ところで、それはもちろん読ませて頂けますよね?(笑)
    むしろ読ませて下さい!お願いします!気になります!


    しかし、昔の作品まで「なろう系」とか揶揄されていたりしたのですか?
    私は全然知りませんでした。
    いやいや。転生系とか勇者とかハーレムとか諸々、昔からありましたよ……。
    元々勇者とか魔王の物語は特に好きでしたが、最近だとそんな風に捉えられてしまうのでしょうか?
    とはいえ、私自身「なろう系」の定義をしろと言われても、上手く説明出来ませんが……。

    色々ありますが、書きたいものをしっかり考えながら楽しんで書いていくのが一番だと思います。
    私もこれからも、これが自分の作品だと胸を張って言える様に、大切にしっかり書いていきたいものです。
    カーマインさんのこの作品に恥じない様に、今書いている作品も創り上げていきたいです。


    最後に。
    素敵な作品を書いて頂き、本当にありがとうございました!
    勉強させてもらうことも多く、糧にさせて頂いております。
    毎回わくわくどきどきしながら、楽しませて頂きました。
    ダイジェスト版を最後まで読んでから、もう一回最初から読もうかなと思っております。アバンから引き込まれた感覚は今でも忘れていません。

    本当にお疲れ様でした!
    納得いく形での表現方法、頑張って下さい!応援しております!
  • ユウキさん、ありがとうございます!
    はい、前にお伝えしていた量の3倍以上になりました……。これでも削った方なんですが、やっぱりあのイベントは入れたい、あれも欲しいとなって増量してしまいました。バトルマシマシなので時間があるときにどうぞ!

    あ、そうですよ! それはユウキさんのことです!
    そして自分もその『世界のばんか』から、キャラの立て方や自分では思いつかなかった話の構成などを学ばせてもらってます! winwinですね!

    ジャンプ読んでたんですか! 意外です!
    私もジャンプやサンデー読んで育ってきた人間ですのでとても親近感湧きます!

    おお……あんなに丁寧な文章が書けるものですから、てっきりユウキさんは昔から読書家だと思っていましたよ。
    なんだかグサッとくる話です。
    ユウキさんは、ちゃんと小説に憧れを抱いて描いてるんだなと。
    私の場合、見せたいストーリーとバトルはありましたが、読ませたい文章は無かったですから。
    この差が筆を折る結果に繋がったんだと思います。

    とはいえ、私の文章にも憧れに通ずるものを感じていただいたのですね。ありがとうございます。そう言ってもらえるだけで頑張った甲斐がありました。

    いえ、むしろ楽しみにしてもらっていたのにダイジェストという形にしてしまってすみません……。創作物をきちんと完成させられないのはクリエイターとしてお恥ずかしい。

    あ、漫画はやるとすれば完全に別作品になります……すみません! 元々書こうと思っていた方の作品ですね。なろうのお決まり要素も無く完全オリジナルなので、実はこっちの方が世界観設定にかなりの手間をかけてたりします。
    もし普通に漫画を描くのであればアルファポリスあたりに投稿しようかなと考えてますが……。
    そうですね。媒体は何にするのか、どこで公開するのかは、都度こちらの近況ノートで報告しようと思います。

    もちろん揶揄してる方は全体からしたらごく一部だとは思いますけどね。しかし、この考え方がもし広がれば要素だけで好き嫌いを決められてしまう時代が来るんじゃないかと不安になってしまってしまいました。

    個人的に、なろう系と揶揄されてしまう作品の共通点はハーレムやチートなどのジャンルではなく「説得力の無さ」が原因だと思ってます。主人公がその世界でしたいことは何か? 神は何故その能力を主人公に与えなければならなかったのか? ヒロインは主人公のどこに惚れたのか? 各々のキャラはどうしてそういう性格、および考え方を持ってるのか? などなど。
    こういった点で、読者を納得させられないから読者が感情移入できず物語に入り込めない。物語に入り込めなければ、その物語は他人の考えた妄想に見えてきます。そうやって作者の欲みたいなのが透けた結果、バカにされる流れに繋がってしまう。自分はそう考えてます。



    こちらこそ最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
    これからは読み専となってカクヨムで活動するので、今後ともよろしくお願いします!
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