牛屋鈴

人は夢に出てきた人物を好きになるらしい。だから俺は毎晩想い人の夢へ通った。そんなことができる『能力』を持っていた。 ある日夢の中で、彼女はこう言った。 「好きな人ができたの」 突…

私の知り合いに男は少なく、二人しか居ない。 一人は杉崎。顔は良いのにイタい言動、黒歴史ばっかりの残念な奴。 もう一人も杉崎。未来からやってきて、自分の黒歴史を抹消しようと画策して…

「どうして保健室はエロいのか」 その真相を確かめるべく保健室に向かった二人の男子生徒は、サイコメトラーと出会う。(サイコメトラーとは物体や空間の記憶を読み取ることができる人のこと…

俺、桐谷和真の精神は、ある日目が覚めると同級生女子の浅田泉の体の中に入り込んでいた。 そして桐谷和真の体には、変わらず桐谷和真の精神が入っていた。 何で俺が二人居る？浅田泉の精神…

その日の記憶は今の私まで、直流で繋がっている。 私は幼い頃、廃ビルで、真横に迸る稲妻を見た。 その圧倒的で、文字通り痺れるような光景に惹かれた私は、その稲妻が何だったのか解明す…

　今作の主人公、石橋遥は幼い頃に両親を亡くした。理由は交通事故。高熱の遥を病院へ届けようと急ぐがあまりに起きた事故だった。 　それ以来、遥は『安心安全』に執着するようになる。 …

２０ＸＸ年。１３～１８歳の人間の一部が、超能力に目覚めた。 念動力、瞬間移動、予知、など定番の物から、もっとマイナーな物まで、実に様々な超能力者が現れた。 当然、社会は混乱し、超…

　俺はベンチだ。 　とある遊園地のアイスクリーム屋さんの横に設置されているベンチだ。どんな時でもここから動かず、このアイスクリーム屋さんの前を見守り続け、時にお客さんの尻を預かっ…

　僕らは大学生になり、彼は一人暮らしを始めた。 　彼が一人暮らしをする事には問題はない。ただ、彼が暮らす場所に選んだアパートに問題があった。 『そのアパートの２０３号室には自殺し…

　学校が終わり校門を通ると、少年は一人のおっさんに話しかけられた。 「アイスあげるから、おっさんに付いておいで」 　少年は黙って頷き、おっさんの後を歩いた。

醜さを理由に、人に捨てられた可哀想な雌熊が居た。 そんな熊の下に、一匹のリスが現れる。 なんでも、マスカラを売りに来たようだ。

　僕の彼女は、生まれつき足が動かない。 　そんな彼女に甘えられている時間が、彼女の支えになっている瞬間が、僕にとっての幸せだった。 　僕らが二人で幸せに暮らしていると、とある白衣…

木々が固く濃い緑の葉っぱを生い茂らせる初夏。皆様いかがお過ごしでしょうか。私はフられました。その現場を同じクラスの冴えない男子に見られました。お詫びに、私のこの苦い記憶を消してく…

　大前提：小賀勇人は背の高い女子が嫌いである。 　小前提：大島栞は背の高い女子である。 　結論：小賀勇人は大島栞が嫌いである。 　三段論法。証明完了。 　しかし、私はこの結論を覆…