『ハッピーエンド』とタイトルに謳われているにもかかわらず、冒頭はとてつもない絶望から始まります。果たしてこれが本当にハッピーエンドになるのか。と思ってしまいました。それから『星落としの少年』と出会って、主人公は早口言葉の練習を始める。いったいなにを言っているのかさっぱりわけがわからないでしょうが、実際そうなのです。荒唐無稽なようでいて、しっかりと青春と恋愛とSF(少し不思議)を味わえる、さわやかな短編小説でした。最後はタイトルを裏切らない結びで、読んでよかったと思いました。