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文章を削る快感の巻

6年前に書いた文章を読み直してみると、簡潔に書いたつもりだった文章にも削る余地が多く見つかる。削ったり別の表現に差し替える作業には独特の快感がある。

今の自分から見ると「こうすれば良いのに」という別解がすぐに思い浮かぶので、過去の自分へ遠慮なく駄目出しができる。これもまた独特のサドマゾ的な快感である。

やはり客観的に眺めるためにはそれなりの時間がかかるものだし、6年で進歩した面もあると思うし、「過去の自分と合作している」という見方もできる。過去を乗り越えつつ、進歩を実感できる。

そう考えると創作とは贅沢な、手間のかかった、手ごたえのある、有意義な趣味ではないか。

釣りでいうと「6年がかりで追い求めた巨大魚を釣り上げたー!」なんていう機会はまずないだろう。

将棋でいうと「6年前の自分に勝ったー!」なんていう機会もまずないだろう。

小学6年生が、幼稚園用の塗り絵を買ってきて「きれいに塗れたー!」なんて叫ぶこともまずないだろう……。

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