あえて休むために「君たちはどう生きるか」を見たが、あまりにも都合よく作られた話で、やはり宮崎駿の老いを感じる一方で、「まだ若い」のか「老いて衰えている」のか判然としないほど奔放な面もあり、一概に悪いともいえない。
自分が創作に没頭していて、厳しい眼で見過ぎてしまっている気もするが、都合の良い生まれの主人公が、都合よくどこかへ導かれて、うまいこと助けてくれる人が次々と現れて、うまいこと成功する話、と見えてしまう。
設定の匙加減をもっとタイトにしないと、ゆるゆるの空想的なお話にしか見えない。しかし自分の作品も、誰かの作る他の作品も、他の宮崎作品もみな含めて、要はフィクションにつきまとうご都合主義をどこまで導入、許容するかという壁に当たってしまうものだ。何でもリアリティ重視ではつまらないし。
と考えつつ、帰りに本屋で仏教関係の本を読んでいたら、ちょうど辻褄がうまく合わせられるような文句を発見した。これは気味が悪いほどピッタリな文句なので、いま書いている作品の中に埋め込んで入れることにする。