「夫にナイショ」「彼氏にナイショ」にしたい物語を書いてみませんか? 9テーマで大募集!!
240 作品
この度は「夫にナイショ」シリーズ漫画原作コンテストへのご応募、誠にありがとうございました。
LScomicレーベルとして、カクヨムで初主催のWEB小説コンテストでしたが、予想を超える多くのご応募をいただき、ありがとうございます。
私たちのレーベルは「ママ・妻・母」に特化した作品を多数作っており、サレ妻、義母、ママ友…など編集部が漫画化にチャレンジしてみたいと9つのジャンルをテーマとして設定しました。
かなり狭く、具体的なジャンル設定にさせていただいたのは、それだけ踏み込んだ設定、場面、展開が読みたいなと思ったからです。「夫に秘密で読みたい」というコンセプトは、普段のカクヨムさんにはあまりないテーマということもあり、意図を理解していただけるか不安な面もありましたが、しっかり編集部の意図を汲み取ってくれた作品も多数あり、読むのも楽しい作業でした。
残念ながら、今回、大賞は受賞作なしとなりましたが、「サレ妻」「ママ友」をキーワードにした作品から、3作品を佳作受賞とさせていただきました。
改めまして、多数の素晴らしい作品を投稿してくださった皆様に、編集部一同より深く御礼申し上げます。
総評・講評:夫にナイショシリーズ編集部
該当作なし
夫に不倫されても結婚生活を続けていた有里。ある日夜中に目を覚ますと隣に夫がいない。なんと彼は2度目の不倫をしていた。耐えきれなくなった有里は家を出て、友人の住むシェアハウスに居候することに。そこには、夫の元不倫相手がいて――
サレ妻×夫の元不倫相手の刺激的な作品!
夫の転勤により引っ越した先で、上司の子供を押しつけられてしまいました。
しかも、その子はうちの娘に暴力をふるう、とんでもない子でした。
そんな子は預かれないと夫に言っても、他人優先の夫は「上司家族が気の毒だから」と言って、私と娘に犠牲を強いるのです。
そして、ある日曜の朝、とうとう事件が起きてしまったのです。全5話。
今回の受賞作の中で一番「イライラ」した作品でした(ほめています)。「引っ越したら隣が夫の上司の家でした」、という冒頭キャッチが「この先絶対何か起きる」と読み手に期待を抱かせる仕掛けとなってくれました。ことなかれ主義の極みの「夫」、図々しい隣の鏑木家の「奥様」、特にこの2人の設定が秀逸で、物語の「仮想敵作り」をしっかり意識できていたことが、展開を引っ張る力となっています。隣の家の一家も怖いのですが、実は一番イラっとしたのは夫! こういった「イライラする相手」をうまく書くのは意外に難しいのです。同じ一つの物事も、当事者たちが少し言葉を変えるだけで、見方が少し違うだけで、全く違う受け取り方になる…そういった他人とのすり合わせ、距離のとり方の難しさを「暴力的な子供」というエピソードで描いた作品です。ラストが少しあっけなかったので、もう少ししっかり描いたら、読後感がより強くなりそうです。
セックス以外は完璧な夫と、捌け口にする「都合のいい先輩」。これって不倫ですか?
セックス以外は完ぺきな夫。そこに現れるイケメンの年上の上司。妻でも愛されたいという思いを、うまくまとめた作品。Aさんの「ナチュラルボーン女ったらし」「でも軽いメンズなわけではない」という女性好きするキャラクターがセリフや仕草の一つ一つに現れていて、不倫ものなのに、どこかさわやか。溺れる愛ではない女性として「ときめきたい」という「私」の感情を自然に表現できていました。やや展開がフラットだったのと、すぐに深い関係になるので、途中の数か月をもう少ししっかり描いて「イケメンAさん」を堪能できるシーンを増やすのもよいなと思いました。
講 評
まずはタイトルに、内容が気になる強さがありました。主人公の有里がふと夜目を覚ます冒頭から家出までのテンポのよさ、夫に対するリアルな感情描写など、つかみの展開もよく、シェアハウスという今っぽいキーワードも入り、どんどん引き込まれました。脇を固める華奈、マイカのキャラクターもしっかり描き分けられていて中盤は意外な女性の友情の話に。「不倫相手」という憎むべき存在を、意外な方向に利用し、いい意味で読み手の予想を裏切ってくれた作品です。
もう少し夫・淳樹のクズさを際立たせるエピソードをしっかりと入れ、女同士の絆をしっかり描けると、よりラストのスカッと感が高まり、面白くなりそうです。