夏休みは作家デビュー!高校生限定の文学コンテスト再び開催!
779 作品
『武官弁護士エル・ウィン』で第12回ファンタジア長編小説大賞準入選を受賞、2001年に同作品でデビューを果たす。そのほか『伝説の勇者の伝説』『いつか天魔の黒ウサギ』はTVアニメ化されるなど、代表作多数。また、漫画原作をつとめる『終わりのセラフ』もTVアニメにて大ヒット。全作品の書籍類計は1700万部を誇る。
このたびは選考させていただき、ありがとうございます。高校生の書いた小説をまとめてこれほど読める機会というのはあまりないので、勉強になりました。みんながどういうことを考え、どういう環境で生きているのかを、小説を読むことで思い巡らせ、ワクワクできました。特に大賞作と、いくつかの作品は、大きな才能を感じました。僕が感じたその才能が、そのままプロの世界へ衝撃を与えるような形で伸びていってくれたら嬉しいなと思いましたし、そのためのアドバイスをしたいと思ってしまうくらい、伸び伸びと書かれていました。特定の賞への応募とは違う、才能を原石のまま見ることのできるこのカクヨムの賞は、今後とても重要な賞になっていくのではないかと思います。今回受賞されたみなさんのさらなる創作を楽しみにしています。
読売新聞東京本社 活字文化推進会議事務局長
1988年、読売新聞社入社。政治部、経済部などを経て、2017年4月から、読売新聞社が出版関係業界と協力してつくる活字文化推進会議の事務局長。発表者がお気に入りの本を紹介し、参加者が多数決で最も読みたくなった本を決める、書評合戦「ビブリオバトル」の中学生、高校生、大学生の全国大会を主催している。
2年連続で最終選考委員を務めましたが、昨年度よりもパワーアップされた作品ばかりでびっくり。ジャンルも広く、今にもプロデビューできるのではないか、というような方々の作品もありました。選考会では、4人の選考委員が東京・飯田橋のKADOKAWA本社の会議室で本当に頭を悩ませました。気が早いかもしれませんが、今から来年度の作品、楽しみにしています。
キリンビバレッジ株式会社 マーケティング本部マーケティング部 商品担当
2012年キリンビバレッジ入社。量販店の営業担当の経験を経て17年春より現部署に所属。「キリンレモン」「メッツ」など炭酸商品の商品開発・広告開発を担当。
日頃の仕事の中では関わりを持つ機会が少ない小説の審査員を務め、非常に貴重な経験をさせていただきました。高校生の書く作品はバラエティ豊かで作者の特徴が散りばめられており、人となりを想像しながら読みました。
キリンレモン賞ではキリンレモンが90年前の発売以来アイデンティティの一つとして大切にしてきた“透明”をテーマに設定しました。透明の捉え方も人それぞれでとても楽しく勉強させて頂きながら読ませていただきました。今回参加させて頂いたご縁に感謝いたします。ありがとうございました。
KADOKAWA カクヨム編集長
中央公論新社入社後、文芸ジャンルの書籍編集者として勤務。2014年3月筑波大学社会人大学院にてMBA(経営学修士)取得。2016年3月KADOKAWA入社、カクヨム編集部に配属され、2017年2月より現職。
コンテストは2回目が大切です。1回目を超えられるかで、今後の成否が決まるからです。どきどきしながら選考に臨みましたが、心配は杞憂でした。昨年に勝るとも劣らない作品群が、豊かな創作世界に引き込んでくれました。青春のきらめきと才能の輝きを感じ、幸せと苦悩が入り混じる選考会でした。受賞者はもとより全参加者が今後も創作活動を続けられることを強く望んでいます。
限られた文字数でありながら、それ以上に感じさせる豊かな物語性で読ませる、この先どうなるのだろうと続きが気になる作品が多かったです。この長さでは一つのテーマをいかに書ききるのかが鍵になりますが、高校生ならではの発想力と、着想を形にする文章力に感嘆させられる部門でした。 河野葉月(カクヨム編集長)
ネットスラングからテーマを得た現代のおとぎ話のようでもあり、そのナンセンス加減、ばかばかしさが選考委員にも好評でした。まさに最後はwwww。
日江井 俊男(読売新聞東京本社活字文化推進会議 事務局長)
海や空、シーグラスなど透明感や爽やかさが随所で描かれており、二人のピュアなやりとりに、純粋な心を思い出すことができました。
脇山 正大(キリンビバレッジ株式会社
マーケティング本部マーケティング部 商品担当)
平易な文章でわかりやすく綴られ、読みやい作品でした。作中ですれ違う登場人物たちがうまくいっていないところなど、人間が表面的でなく、立体感をもって描かれていました。
きちんと自分の言葉で語られており、作意がないからこそ小説家が操る言葉に近いと感じさせられました。ほのかに暗く感じる世界観も魅力として伝わってきました。
ファンタジックな設定が生かされた作品でした。必要な設定のみを語ることで謎めいた世界と、登場人物たちを立体的に描きだすことに成功しています。
登場人物の造形が非常に立っていました。物語の展開も起伏に富んでいて、特に読み手をはらはらさせる中盤から、余韻を残すラストへの流れはよくまとまっていました。
昔の探偵小説やホラー小説のようなレトロな雰囲気で描かれた作品でした。作品全体に流れる静かな空気がテーマと合っており、懐かしい気持ちになりました。
高校生のみなさま、多数のご応募ありがとうございました。
「【高校生対象】文学はキミの友達。「カクヨム甲子園2018」【ショートストーリー部門】」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております
選評
病に侵された少女と少年のひと夏の恋愛物語。SF的な設定と終わりがあるからこそ生まれる切なさを確かな文章力で描きだしています。特に最大限に読者を驚かせようと仕組まれたどんでん返しの鮮やかさには心を奪われ、選考委員一同、高く評価しました。