怖い話、都市伝説、不思議な体験… 身の回りに潜む“怪”、物語にしませんか?
611 作品
このたびは、「カクヨム異聞選集 ~本当にあった怖い話・不思議な体験コンテスト~」に沢山の応募をいただき、誠にありがとうございました。
「実話」を条件とした怪談のコンテストに、611作品もの応募があったことは大変驚くとともに嬉しいことでした。
選考にあたっては、怪談専門誌『幽』編集部一同、真摯に臨ませていただき、怪談実話の世界の奥深さを感じる選考過程となりました。15作の最終候補、そして3作の受賞作を選出できたことは大きな喜びです。
最終選考会のリポートは、2017年12月15日発売の『幽』vol.28に掲載されています。ゲスト選考委員の稲川淳二氏、『幽』編集顧問の東雅夫氏、および、『幽』編集長、『幽』前編集長、角川ホラー文庫編集長の5名により、最終選考会が執り行われました。個別の作品についての評定は、ぜひ『幽』vol.28をご覧いただけましたらさいわいです。
「実話」はネタ勝負のように思われがちかもしれませんが、「実話」を作品に昇華させるときに、最終的にどのような表現に落とし込むかを熟考できているか、そこに意識が払われているかが、今回のポイントであったように感じています。
リポート記事から一部引用させていただきます。
「怪談の基準ってみんな違うんですよ。だから私は、怪談って事件じゃないよ、といつも言うんです」(稲川氏)
「事実がコアになっている手触りをどう伝えるかが、文章で書くことの意味合いなんです。実際の出来事を報告しただけのものは、極端なことを言えば「怪談」とは言えないということですよね」(東氏)
ぜひ、リポート記事と、実際の作品とを照らし合わせて、今後の怪談文筆活動に活かしていただけたらと思います。
受賞作品については、角川ホラー文庫でのアンソロジー収録を予定しています。
ぜひ楽しみにお待ちください!
『幽』編集部 「カクヨム異聞選集」担当
異形に出遭えば落とされる―
その真偽を知るため、彼女は山に踏み入った。
ご主人の実家へ一緒に帰ったK子さんは、東京から帰省していた美大生から、行ってはいけないという“落とされ坂”の話を聞く。
サークル合宿の夜、頭痛のために部屋で休んでいたユキ。部屋に飛び込んできた友人に会った後で、目覚めてみると……。
ボイスアプリ「LisPon」内で開催される「カクヨム異聞選集〜怪談朗読コンテスト〜」で最優秀賞を獲得した作品の台本となった小説を「LisPon」賞とし、作品をオーディオドラマCDとしてプレゼントします。
『こっちにおいで』甲高いやけに間延びした声の奥では、波の音がしていた——。
語りのテンポが速いですが、掛け合いを駆使した物語なこともあり世界観に浸りやすかった。また、一度後味の悪さを残しながら再び恐怖を煽る構成が良い。主人公のみが見えており尚且つ幽霊の正体を謎のままにしておいたのも不思議な空間を作り出し謎を深めていく。
見えてはいけないものを見てしまった恐怖心、それを感じ取ってしまった人物心情が、細かく文章や言葉の中に散りばめられていた。身近に起こりそうなストーリーもその情景を容易に想像させやすかった。文章を読んでいるだけで「ゾワッ」とした寒気がしました。さらに音声で聞いて寒気が更に…バーベキューにはしばらく行けそうにありません。