突入④
控え室の扉を蹴り破り、血みどろの信者を手から離して煙草を咥える。
一匹だけ死なない程度に電撃と殴打で
「おまっ、なんちゅーもん連れて来てんねん!」
「うるせぇ!! 俺が好きで追われてると思うか!? てかなんでお前がここにいんだよ!?」
進む道をそれぞれ二手に分かれ幾つかの分岐を通り、また合流する。後ろを振り向くと変わらず追撃してくる
「はぁ~こんだけモテモテなんに贅沢なやっちゃなぁ。あーアレか? 追われるより追いたい派か?」
「バーカ、不特定多数に好かれても意味ねぇよ。薄っぺらいもんが多くても、ただ虚しいだけだ」
二人は示し合わしたように振り返って歯を見せる。反撃、やられっぱなしでは格好がつかない。と足を止めた。
「ええなぁその答え! 気に入った!」
「お前は質問に答えてないけど、な!!」
相良は空気の振動による"
が怪物達は死に絶えた仲間ごと呑み込み、歩みを止めた二人に変わらぬ勢いで迫る。
その様子を見て、二人はまた全力でダッシュを始めた。
「元はと言えばお前が連れてきたんやからお前が責任取れや!」と横で並走している相良は、師人に対して横薙ぎを繰り出すも避けられる。
「お前こそ非番のくせに任務に参加してんじゃねぇよ! 罰としてお前が餌になれ!!」と
「アホ! ワイがこんなんでやられるかい!!」
背中から衝撃を放ち、拘束を破壊する相良。態勢を立て直して更に走る。
「「うおおおおおおおおお!!!」」
二人が道なりに進んだ先、昇降機の姿が見えた。地上に戻るための活路だ。上にあがってしまえば化け物達も追ってくることは出来ない。
そして「しめた! アレに乗るで!!」と相良が叫んだ次の瞬間、昇降機の扉が開き、播磨隆二が現れた。
特異天 南雲ぜんいち @nagumozenichi
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