主人公は名前を奪われた少女。初っ端から不穏なエピソードに、心が鷲づかみにされました。
ただのイケメンあやかしとの同居ものかと思いきや、ホラー要素や謎、呪術要素もてんこ盛りで、ぐんぐんと引き込まれるように物語を読み進んでしまいます。
主人公を取り巻く登場人物たちは皆、個性的でとても魅力的。彼らのやりとりもいい味が出ていて、特に直文さんが真っ直ぐで、とても好感がもてます(しかも眉目秀麗!)
ホラー仕立てになっていますが、ただ怖いだけでなく、キュン要素も、コミカルな部分も盛りだくさんで、ホラーはちょっと苦手だなって方も楽しめる作品です!
『平成之半妖物語 一幕』の1-3章まで読み終えての感想です。
この物語は、名無しの少女が自分の名前を奪われたことから始まり、彼女が名前を取り戻すために奮闘する姿が感動的です。少女の内面の葛藤や不安がリアルに描かれており、共感できました。また、少女を守るために立ちはだかる直文という少年のキャラクターも魅力的で、彼の不思議な力や優しさに惹かれます。
物語の背景に夏の訪れと花火の季節があり、これが物語に季節感を与えています。花火の描写や祭りの雰囲気が鮮やかに描かれており、夏の楽しみを共有できる感覚を味わうことができました。
物語の謎解きや怪異の要素も魅力的で、次の章に期待が高まることから、全体として『平成之半妖物語 一幕』は心に残る読書体験を提供してくれる作品だと感じました。
この壮大な物語は、一人の少女が名前を奪われたことから始まります。
奪われた彼女の名前は黒塗りのような状態になり、見ることも、声に出すこともできません。そのため、周囲の人間関係はどこかぎこちないものに。
彼女の不幸は重なり、彼女は近所で発生する子供の行方不明事件に巻き込まれてしまいます。しかも、この事件、何やら不気味な怪談が絡んでいるようで……。
平成を舞台に不気味な怪談にまつわる事件が次々に起こる本作。
しかし、この作品の魅力はホラーだけではありません。
タイトルにあります「半妖」と人間たちの純愛物語、と言っても良いのではないか、と思うのです。それはもう、前世や時空を超える、壮大な愛です。
作者様の作られた世界観の広さに、何度も感嘆してしまいました。
不気味な怪談にドキドキし、登場人物たちの恋愛模様にもドキドキし。
これからも、ドキドキしながら、読み進めていきたいと思います。
まず、創作怪談が怖い。
キャラが魅力的。
半妖バトルがたっぷり。
じれじれ恋愛が楽しめる。
ギャグも適度にはいっていて読みやすい。
ストーリーも骨太。
うーん、どこから語ろうかな?
読者の皆さんが引くくらい長文で魅力を語れるけれど。
キャラクターをしっかり魅せてくれます。
それぞれの背景、想い、丁寧に描かれて、ヒロインとヒーロー達を応援したくなります。
長い物語ですが、最新話までいくと、4人のヒロイン、4人のヒーローがいます。
皆、個性が際立ち、ストーリーのなかで乗り越える壁があり、心の葛藤を見せてくれます。
その葛藤を乗り越えた時、
空の打ち上げ花火を見るような。
満開の花畑のなかに倒れ込むような。
駿河湾を上空から見下ろすような。
爽やかな風吹き抜けるカタルシスがあります。
幕間にヒーロー達がお酒を呑んで反省会するのも、いとおかし。
サービス精神たっぷりの物語です。
怖い創作怪談に彩られたロマンチックな恋愛、じっくり堪能してほしいです。
おすすめですよ!
既に多数の方が魅力的なレビューをされている中で何をいまさらと思う方もいるかもしれませんが、このレビューの筆者なりに考えた本作の魅力を伝えさせていただきます。お付き合い頂ければ幸いです。
まず、世界観やホラー×少女&半妖といった要素に注目されたレビューがちらほら見受けられたので、それとは別の切り口から。
本作ではキャラクターに関する情報が事細かに描写されており、一人一人のキャラクターの外見から仕草のひとつひとつに至るまで、魅力的に描き出されています。主人公のはなびちゃんはもちろんの事、彼女が出会う事になる友人や知人達…中でも序盤から登場する直文に関しては、ふとした仕草や見た目の描写が抜かりなく行われており、作者様のキャラクター達に対する愛情を感じます。
そしてその描写の細かさは怪異達相手でも変わらず。作中に登場するあやかしのおどろおどろしい実態が、キャラクターに対するそれと同じくありありと綴られています。一度読めば、キャラクター達に降りかかる災いがまるで我が身のことのように感じられることでしょう。
そんな怪異事件と併せて語られるのが、名前を失った少女(通称”はなびちゃん”)と彼女が出会った青年・直久の物語。
時間とやり取りを重ねながら強まる二人の想いと、明かされていく過去、抱えていた感情……王道的ともいえる二人の関係性ですが、丁寧な段階を踏んで発展していく二人の関係は、思わず見守りたくなる微笑ましさがありました。
ホラーかつシリアスな場面が印象としては強いかもしれませんが、この二人、および二人を取り巻くキャラクターたちもそれに負けないくらい魅力的なキャラクター揃いです。どんな展開、キャラクターが待ち受けているのかは、このレビューを読んだ方の目で確かめてみてください。
長くなってしまいましたが、最後にひとつだけ。
お話の大きな区切りである第一章『花火の少女』は必見です。
一章まで読ませていただきました。
名前を奪われてしまった少女と半妖たちが織りなす物語。
個性的な登場人物たちですが、丁寧な情景描写、地域風土や風習、神々や妖怪に関しての伝承などが綺麗に組み込まれてとても読み応えのある作品です。ホラー要素も丁寧に描かれているため、そこが少し苦手な人にはある意味ちょっと酷かもしれません笑。けれど、その濃厚さも魅力だと思うお話です。彼女たちの日常を垣間見たり語られる都市伝説を聞くと、まるで名前を奪われてしまった少女と同じ日常の中にいるような、そんな感覚を覚えます。
登場人物も皆それぞれ思い遣っていることが感じられ、日常風景の描写も個人的に好きでした。