お金の力で聖女ジャンヌ・ダルクを救うのは邪道なのか？

一命を賭してフランスを救うべく活動したジャンヌ・ダルク。
聖女として有名な人物ですが、時代の荒波に逆らえず、最後は魔女の烙印を押され、火刑に処されてしまったという。
そんなジャンヌを救い出すべく天使に召喚されたのは、現世で金融不況に巻き込まれ、全てを失って死んだ投資家の男。
そんな男がどうやって聖女ジャンヌを救助するのか……という物語です。
いわゆる歴史改変ものというジャンルに該当する物語ですが、１５世紀初頭のフランスが丁寧に描かれており、そんなリアルなフランスの街並みや街道を、主人公・ルグランと相棒の天使・アイヒが、ジャンヌ救助の手掛かりを追って探索する様子は、それだけで興味深く楽しむ事が…続きを読む

　あるいは、ツンツン天使がいつデレを見せてくれるのかなと期待しつつ読むも良し。

　ところで、本書では、旅にどれだけの日数やお金がかかるかを真面目に考えている。レビュワーも歴史小説を書くので良く分かるのだが、案外、これは難しい。そうしたところを通じて、歴史時代に想いを馳せる。それも、また、良し。

　いずれにしろ、いろいろと興趣が尽きない作品であり、読む者はそれを楽しめる！

天使、中世ヨーロッパ、ジャンヌ・ダルクときて日本の金融危機に絶望したビジネスマン…それらが異世界転生で見事につながります。
歴史と確かな金融知識に裏付けされた、読みごたえのある異世界転生物語。まだまだ序盤ですが、続きが楽しみです。

転生としては珍しく、元の世界の人生を目標としているため、視点がブレることなく読み進められる物語となっています！

史実に介入する形のストーリー展開なので、話の筋が通っているのか、史実をつまんだ程度の知識しかない私でもわかりやすい親切、丁寧な描写ですらすらと読み進めてしまうのですが、それだけが要因ではなさそうです。

相方ポジとして天使がいるのですが、このキャラの存在がシリアス調の物語の癒しとなっており、天使が主人公との絡みを披露することで、肩の力を抜くことができます！
そもそも相方ポジの天使が熱心にガイドを読んでるあたりから、とても胸が熱くなる俗っぽい設定も良です！

所々で発生する主人公の…続きを読む

リアルヨーロッパ中世に転生した歴史マニアのファンドマネージャーというワクワクする設定。
チートも魔法も金もない中でジャンヌダルクを助けるというリアルなテイストと、一緒に転生したちょっとポンコツな天使が相まっていい味を出しています。大人な読者にぜひおすすめ。

　正直にいって「私の趣味にどストライク」な作品です。とある事故で転生した主人公、そこから始まる物語っと聞くと一般的な話に聞こえますが、ここからはちょっと違います。

　目的が、ジャンヌ・ダルクを救うというものなのですが、それを「力」で救うとかそういうレベルの話ではないんですよね。ファンドマネジャーが「お金」の力によって救うというのがこの物語なのです。

　たしかに、ジャンヌ・ダルクは「捕虜」にはなるのですが、ジャンヌ・ダルクが活躍した百年戦争の時代、「重要人物の捕虜」の多くは「捕虜交換」や「金銭」等によって、ほとんど助かってきたという歴史的な事実もあります。

　本作品は、ちゃんとその史実も…続きを読む

　リアルです。お金の心配もしないで暮らしていける？　無双する？　あり得ないでしょう？
でも、安心してください。
　この作品はそこから始まります。それも史実の骨太い設定の中で。
　かと言ってお金の心配ばかりのチマチマした（時に胃が痛くなりそうな描写もありますが💦）内容ではありません。
　ラブコメ要素あり、冒険者要素あり。
　肩の力を抜きつつ楽しみながらも、実在したジャンヌ・ダルクの背景を炙り出し、不遇に終わった彼女を救おうとする冒険物語。
　面白いですよ！

金融危機に襲われたファンドマネージャーの主人公。
不運は続き、今度は足を滑らせる事故で転生してしまいます。

目を覚ました先にいた天使に与えられたミッションは、あのジャンヌ・ダルクを救うこと。

果たして主人公は金融や経済の知識を活かし、ジャンヌ・ダルクを救うことはできるのか。
その方法は？

非常に雰囲気のある文章で書かれてある物語です。
金融や欧州の歴史に興味がある方にオススメの小説です。

転生金融マンと天使が、ジャンヌ・ダルクの死の運命を変えるために中世で奔走するお話。

お金の力というものに主眼を置いているのが、この作品の面白いところです。
歴史のエピソードはもちろん、当時の風景や衣装など文化の描写も興味深い！

果たして主人公たちはジャンヌを救うことができるのか！？

　歴史の出来事がかなり詳しく書かれていて勉強したいという人にもおすすめです。