日本神話のifが沢山詰まった物語。

 日本の神話に登場するヒルコ。彼はイザナミとイザナギが最初に生み出した神であると同時に、捨てられた不遇の子供だった。
 そして人間の生と死に関わるコノハナサクヤヒメと、イワナガヒメ。コノハナサクヤヒメを選んでしまったがために、栄華を享受するも短命となった。しかし、本当に結婚すべきは、醜くも永遠の命を保証するイワナガヒメだった。イワナガヒメもまた、不遇のヒメだった。
 そんな不遇の運命をたどったヒルコとイワナガヒメが、もしも結婚していたら日本神話はどうなっていたか?
 この作品は、そんな大胆なifから始まる物語だ。
 ヒルコは復讐の鬼と化し、様々な場面で神々や人々の邪魔をする。特に人を鬼に変える魚の存在は厄介だった。元々人間だった鬼たちと、その復讐心に対抗する神々と人々の戦いは、激化していく。

 権謀術数の戦いに、未来はあるのか?
 果たして神々は、人々は、どうなってしまうのか?

 是非、御一読下さい。

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