駆けろ雑兵〜ガストン卿出世譚

異世界ファンタジーばかりで食傷気味な僕には面白かったです！

英米の歴史冒険小説を彷彿とさせる大河小説作品です。完結まで続いてほしい。

田舎者ガストンの出世物語。よくあるチートなんてものはないし、女の子にモテモテにもならず、モフモフも出ない。
とにかく地味で骨太で泥臭くて、そしてド派手な展開はない。
だけどそこが良い。真面目で不器用で、周りの人間が放っておけない。
そんなガストンを今後も見守りたい…ぜひ完走してほしい作品。

ちょっと頼りないエルフやリザードマン(左利き)、スケルトンなどは出てこないリアル風の作品で、中世ヨーロッパ風の泥臭さが主人公の素朴さをより引き立ててくれます。

舞台は架空の中世ヨーロッパ風異世界――ですが、いわゆる「剣と魔法の世界」ではありません。がっちがちのがちにリアル風。
木こり暮らしで鍛えた筋力と、その大柄な肉体以外にはなんの取り柄もないただの平民が、戦場を通じて時に活躍し、時に打ちひしがれ、時に翻弄されながらも徐々に成り上がっていく物語です。
ご都合展開のない、地に足の付いた話をじっくり楽しみたい方におすすめです。