『ようこそ我が学び舎へ』まほろばほろば・第一話

この世界には、「産土様」と呼ばれる者たちがいる。彼らは土地が具現化した存在であり、時には「土地の化身」とも呼ばれる土地神と人間の仲介人だ。

そして、そんな彼らは人と共に長い歴史を生きてきた。時には教科書に載るような偉人の下で、時には名前さえ残らない庶民の横で······。

これは、そんな彼らと民たちの物語である。飛鳥から令和まで、長い長い大河を映す鏡物語だ。人間、妖怪、神、そして土地······彼らが織り成す思い出を、一つ一つ語ってゆく。その中に見える歴史の流れが、やがては土地の化身たちの全てに繋がるのだ。

そして、彼らは現在、何故か土地専用の高等学校に通っている。何百年と生きながらえておきながら、今になって学生となった。この物語は、そんな彼らの学校生活を軸に進めてゆこうと思う…続きを読む