愁いを知らぬ鳥のうた

【「同題異話SR-Oct.-」　参加作品】


帝都大学で博物学の研究をする石嵜玄武《いしざき　げんぶ》のもとに、講義を聞いていた学生が訪ねてくる。
講義で触れられたフィールドワークについて、もっと話を聞きたいという。
隠すようなことではない内容であることと、無垢な学生を怖がらせてやろうという邪心から、玄武は5年前に琥珀の採掘場を訪ねたときの話を始める。
下宿屋にいた女性のこと。
列車の中で出会った、文筆家を自称するギター弾きの男。
初めて耳にするギターの音色。
主を探す、はぐれた雲。


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過去作「心というものが煌めく珠なれば」と同じ世界観ですが、今回は“心珠”には全く触れません。
過酷な労働環境、性描写、差別用語も登場しますが、犯罪を助長するものではありま…続きを読む