参考資料8

 「サルビアとガーデニア 小説家志望の彼女と私」をよりお楽しみいただくための参考資料をご紹介しますのその8です。


 こちらでご紹介するのは、文献資料ではなく、登場人物たちと関わりのある場所がメインとなります。

 作品とともにお楽しみいただけましたらうれしいです。


 参考資料で紹介しました場所は、わざわざ取材のために出かけたというよりは、普段から用事があって出かけたり、ぶらぶらしたりといった、日常に溶け込んでいるところです。

 本を片手の街歩きは、趣味というより日常です。

 

 では、参考資料紹介その8をお届けします。



※第33話 生協食堂でコーヒーブレイク

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890430472/episodes/1177354054890842329


 南北線東大前駅で降りて、地下道を進み地上に出るとすぐに農学部正門。

 木曽檜の荘重な農正門。

 門の右手の煉瓦塀に、「農正門」と記された北海道演習林のイチイの木の銘板が掲げられている。


 守衛さんに軽く会釈して門を入ると、右手に農学資料館が見える。

 

 農学資料館は、東大農学部の歴史、暮しや産業と関わる研究を紹介する施設だ。

 広くはないスペースだが、農学関連の興味深い展示物が並んでいる。


・・・・・・


 緑豊かな大学キャンパスは、正しく都会のオアシスです。

 守衛さんに挨拶をして、学生さんの邪魔にならないように、ぶらぶらと。

 学内のベンチで読書の時間。

 活字を追うのに疲れたら、顔を上げて、樹木の緑で目を休めます。 

 キャンパスには、いろんな意味で、浮世離れした人の率が多いのですよね。

 だから、落ち着きます。


十五箇所目 東京大学消費生活協同組合農学部店 文京区弥生

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882605676/episodes/1177354054885240423




※エピローグ

 読後感はひと言、「読んだ」。

 手にして目を通したという事実を告げるそれは、肯定の表現。


 ベンチの隣りに、彼女が座った。

 鳥の声も、人の声もない午後。


 「久しぶり」

 「久しぶり」


 挨拶の木霊が、空に吸い込まれていく。

 どちらからともなく立ち上がって、歩き出す。


 風が通り過ぎていく。

 二色ふたいろのストールが舞って、絡まって、なびく。


 重厚な校舎とは対照的な、ガラス張りの建物が見えてきた。

 建物の中には、大学の研究活動から生まれた商品やオフィシャルグッズが並んでいる。

 時折訪れて、新しいものはないかと見るのが楽しい。


 研究会に入るほどの蓮の花好きの知り合いから、ここに大賀蓮の香りをベースにしたオードパルファムがあると聞いていたので、立ち寄って香りを試すことにする。


・・・・・・


 蓮の香りには、すっと抜けていく気清かな甘さを感じます。

 サルビアの蜜でもなく、ガーデニアの芳香でもなく、静かで清らかな甘い香り。

 二人の行く末にわだかまりが起った時には、その香りがきっと祓ってくれることでしょう。


十六箇所目 東京大学総合研究博物館・UTCC 文京区本郷

https://kakuyomu.jp/works/1177354054882605676/episodes/1177354054885253379




 さて、今回で、11万文字に到達しましたので、いったんここで完結とします。


 ここまでおつきあいいただきましてありがとうございました。

 









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サルビアとガーデニア 小説家志望の彼女と私 美木間 @mikoma

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