概要
映画は好きだけれど、映画館に毎週通うほどではない、というあなたへ。
閉店が相次ぐTSUTAYAの看板を背負い、“TSUTAYAの最後の娘”が立ち上がる。
彼女の使命は「その夜、その映画をもっとも必要とする人にDVDを届けること」――
彼女の使命は「その夜、その映画をもっとも必要とする人にDVDを届けること」――
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!ここからでも読める可愛い"配達人"のお話
某ネトフリ始め、配信映像サービスが一般化して久しい現代で、わざわざレンタルDVDソフトを人生の迷い人に授けにくる奇妙で愛嬌があって、おまけに滅茶苦茶喧嘩が強い謎の少女、ツタ子さんの活躍が楽しいです。
今回の3作目はどこか影を抱える青年が、ツタ子に巻き込まれてラーメンやら猫さんやらのほのぼの日常場面から、内に秘めてた闇に向き合わさるほんの少しシビア、けれど読後感が爽やかで気負いせず読める、素晴らしい作品になっていました。肝である何のDVDがツタ子さんから届けられるかは、読んでからのお楽しみ。
話事に(恐らく設定披露である幕間除き。これもこれで先が気になりますが ツタ子さんを軸に主人公も話のタッ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!良い意味でカオス。登場人物全員、普通じゃない
上野公園でパンダが死んだ日、主人公は「TSUTAYAの最後の娘」と出会う。貞子を思わせる蔦屋ツタ子、彼女の使命は「その夜、その映画をもっとも必要とする人にDVDを届けること」——。
この作品、とても魅力的な始まり方をします。文章も上手です。
その導入部、作品のキャッチコピー、紹介文などから自然と想像されるストーリー(映画の紹介を兼ねたハートウォーミングもの)があると思うんですが……この作品、一筋縄ではいきません。
展開が予想できない、というのとも違って、むしろ「次は当然、こういう台詞が出てくるだろう、こういうことが起こるだろう」と予想させるベタな流れがつくられています。その上で、予想と…続きを読む