創作に登場する人物は生まれた状態で”目的”を持って生まれてくる。そして目的を果たすとその物語は終わる。だが私たちはどうだろうか、この地球という大舞台に突然”生”を与えられ目的を果たした後はどうなる…何もないのだ。 世迷い事のように筆者が多角的な視点で人の”生”や人生の意義を問う。その問すら人生からしてみたら愚問かも知れないが、こうあれこれ考えている時間が生という概念に一番近いかもしれない。
この見事なめんどくささは一読の価値あり。めんどくさいヤツは最後まで逃げない。自分を本当に正しいとはカケラも思っていない。そして結論はたぶん出ない。タイトルもまた微妙なのが逆に良い。めんどくさくないヤツは、きっと「生きる意味とは」とかにしちゃうんだろな。でもそれはウソだ。少なくても私にとっては。
同じ番組を横目で見ながら、自分も似たように思った。「他人の悲惨な人生を見聞きすることによって、自分も頑張ろう。」と奮い立たせることに著者は疑問を持っていたようだが自分も同感だ。特に戦後と違って、現代は法律、条例、世間体、大人の都合、と言われるようなものに縛られて、物に溢れて食べるのに困らなくても夢を持つことを禁じられているかのような閉塞感のある時代。この現代で、希望や夢を持つことがどういう意味があるのか。どのように考えればいいのか。続きに期待したい。
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