概要
好きで居てもらうことだけが好きだった。
大学三年の麗奈は、二年生の恋人・波琉と交際して八ヶ月になる。年上である自分が主導しているはずの関係の中で、麗奈は無意識に波琉の気持ちを試し続けていた。「冷めてきたかも」「本当に好き?」と揺さぶり、その動揺を確かめることで、自らの存在を実感している。だがある夜、波琉は静かに告げる。「好きって、試されると減るんだよ」「俺ばっかり好きみたいで、疲れた」と。初めて追う側に回った麗奈は、自分が恋人そのものよりも“愛されている状態”に依存していたことに気づく。やがて関係は終わりを迎えるが、喪失の中で彼女は変わることができない。再び別の相手に同じ言葉を投げかけ、自ら揺らすことでしか立てない構造を繰り返す。愛を測ることでしか安心できない若者の不均衡な関係性を描いた物語。
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