第8話「愛は世界を救う」は、シリーズ全体の狂騒を総括する“エロティカル兵器史”のクライマックスであり、同時に壮大な茶番劇の幕引きでもある。
魔術体系の解析から国家間の報復合戦、そして“服だけ溶かす薬”の薬品化に至るまで、世界がエロスによって混乱し、そして均衡を保つという構図は、滑稽でありながら妙にリアルだ。
特に“エロティカル・相互確証破壊”という概念は、物語のユーモアを一段引き上げる。
国家の威信も、魔術師の矜持も、すべてが「裸にされる恐怖」という一点で均衡する世界観は、笑いながらもどこか哲学的ですらある。
最後に置かれた「愛は世界を救う」という一文は、作品全体の狂気を優しく包み込み、読後感を不思議な温かさへと転じさせる。
エロスを極限まで突き詰めた結果、世界は平和になった――その皮肉と優しさが、この最終話の魅力だ。
この作品は、偉大なる祖父が遺した「奥義書」を巡る、若き天才魔術師と少女の奮闘(?)を描いた痛快コメディです。
大魔術師ペルベルの残した秘伝の魔術――それは、ありとあらゆる魔術が“エロくなる”という問題大ありの魔術だった。
とにかく「究極の秘術」と「最低のネーミング」の絶妙なギャップに笑いました。
緻密に構成された魔術が、次々と斜め上の「エロティカル」な現象へと昇華されていく展開が面白かったです。
淡々と合理的な兄弟子と、翻弄されつつも自らの欲望に忠実な少女の軽妙な掛け合いが、物語のテンポを加速させていて良かったです。
「世界平和」という壮大なテーマに対し、ハレンチかつ説得力のある(?)回答を提示した作品です。短編コメディやファンタジーを読みたい方にも、お薦めです。