人との距離の取り方に悩む主人公の心情が、とても自然な筆致で描かれていました。「天気の話しかできない」という自己評価から始まりながら、天気そのものが人と人をつなぐ言葉へと変わっていく構成が見事です。特に白鳥先輩との会話は穏やかで心地よく、季語や天候の呼び名を通して少しずつ世界の見え方が変わっていく過程に引き込まれました。派手な出来事はないのに最後までスラスラ読める文章力も魅力的です。読み終えたあと、何気ない天気の話にも人を近づける力があるのだと思わされる、優しく温かい作品でした。
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