3.五黄の寅と八方塞
本部からの契約解除と従業員の解雇に関して、私は危惧していたのですが、経営者は全くの予想外だったみたいです。
恐らく、厳重注意くらいで、このまま契約は続くと思っていたようなのですが、本部はこちらの予想以上に事を重大視していました。
そこから、経営者と私による、本部との交渉が始まりましたが、これが全く聞き耳を持ってもらえず、私達は困り果てました。
一応、威嚇の為に、私人逮捕の一件の時に用意したバットを背に、ずっと交渉していたのですが、あまり効果はありませんでしたね。
代わりに、その写真を近況ノートに載せたら、妙に人気が出まして、今ではカクヨム上で様々な綽名をつけられて、愛されています(笑)
ご覧になりたい方は、こちらのノートをご覧下さい↓
https://kakuyomu.jp/users/souheki/news/822139836245601204
そんな状況でしたが、経営者は自分が折れなければ、本部が強制的に契約解除はできないだろうと、高を括っていました。
私は「大丈夫なのかなぁ?」とは、思っていましたが。
この時点で、通常業務に加え、従業員へのケア、本部との交渉、マスコミ対応などの仕事が増え、私の生活を圧迫し始めました。
そこで、私は已む無く、半年間続けていたカクヨムの連続投稿を中断、投稿ペースを落として、こちらに注力することにしました。
私としては断腸の思いだったのですが、周囲の反応は「まぁ、仕方ないよね」程度だったのが、軽くショックでしたね(笑)
そうして、2か月ほど交渉をしていたのですが、10月末になって、突如事態が急転します。
問題を起こした2つの事業所を、本部が強制的に閉鎖したのです。
経営者は、5日前まで、強制閉鎖はできないと思っていたらしいのですが、本部は法律的なものを巧くクリアして、強制閉鎖に乗り出しました。
同時に、ウチ以外の違反した経営者も、全員契約解除が決定し、その経営者達が経営していた、不祥事を起こしてない事業所も、全て閉鎖、もしくは一時閉鎖後、直営化という方針になりました。
本部はこちらの予想を超える大鉈を振るってきました。
これで、私の事業所も経営者の契約解除と一時閉鎖が決定してしまいました。
残る交渉の余地は、直営化後の従業員の再雇用だけだったのですが、これに関しては、上記の急な方針転換の混乱に便乗し、何とか希望者全員の再雇用をもぎ取りました。
結局、今回の騒動で私が出せた成果は、これ一つだけでしたね。
情けないです。
そうして、閉鎖の準備をしていたある日でした。
用事で事業所に来た経営者と話をしていた時、経営者が不意にこんなことを言いました。
「この前、地元の神社にフラッと行ったんだけど、そこで今年は俺、八方塞の年って言われたんだよね。」
「そ、そうなんですか……」
それを聞いた時、多分私の表情は引き攣っていたと思います。
八方塞とは、九星気学の考え方で、9年に一度巡ってくる運気が悪い年を指します。自分の星が他の8星に全ての方向を塞がれ、出口がない状態だそうです。
この年は、どの方向に物事を起こしてもうまくいかないので、新しいことや引っ越しなどはしてはいけないとされています。
ところが、経営者はそれを知らずに、引っ越しをしてたんですよね、この年。
それが一番よくなかったのでは、とのこと。
また、他の8星に塞がれるということは、どの方面に動いても、誰かの存在が邪魔になる、もしくは障害になる、敵になるということらしく、まさにこの時の経営者の状況に、ドンピシャでした。
で。
そんな八方塞と最も相性が悪いのが、実は五黄の寅だったりします……
八方塞の人は運気が落ちているので、基本的には下手に動かず、極力静かに過ごさなければならないそうです。
ところが、運気の面でこれを大いに乱すのが、“運気ジェットコースター五黄の寅”なわけです。
蒼風曰く、八方塞の人間が最も近付いてはならないのが五黄の寅らしく、会って話すのすら、よくないとのこと。
大変、迷惑な存在ですね(^^;)
そう考えると、私や蒼風の家族は大変でしたね。
9年に一度、強制的に引っ掻き回される、不幸な年が訪れるわけですから。
今私は、家族と離れて暮らしていますが、これが世界平和の為には、一番いいのかもしれません(笑)
では、具体的に私の仕事ぶりの、何が経営者にとってよくなかったのかですが、これに関しては、数年前に既に蒼風に注意をされていました。
内容は「経営者が私に頼り切りにならないように、気を付けろ」でした。
これは、「あくまで経営しているのは私ではないので、意思決定を含めた重要な仕事は、経営者にきちんとやらせること」という話でした。
ただ、ここ数年、事業所が増えたこともあり、ウチの事業所の殆どの仕事を、私が肩代わりしていたのは事実です。
それは、従業員からも指摘はされていたのですが、私が下手に仏心を出して、「今は仕方ない時期だから」と、小説の執筆時間を削ってでもやっていました。
結果、年350日出勤、月間200時間超えの勤務時間が常態化していたわけです。
それは、よくなかったかもしれません。
勿論、私自身は事業所の業績がよくなればと思って仕事をやっていましたし、実際、私自身の事業所では不祥事は起きていません。
ただ、事業所が6つになってから、経営者はそれぞれの事業所を、従業員任せにしており、その目が行き届かない中で、今回の不祥事は起きました。
逆に言えば、従業員任せにする癖が経営者についていなければ、今回の事態は防げたのではないかと思います。
そして、その従業員任せの風潮を最初に作り出したのは、確かに私だったと思います。
経営者がほぼノータッチで済む事業所体制を、最初に整えてしまったのは、私だったので。
やはり、経営者でないなら、領分の外まで手を出してはいけない。
それが、私の今回の最大の反省点です。
そして、九星気学の面から見ても、それはそうでした。
八方塞の年に、五黄の寅に自らの事業所の管理を任せきりにするなど、自殺行為に等しかったわけです。
そして、その五黄の寅が整備した体制が、八方塞の年に大爆発を起こしたわけです。
まるで、時限爆弾。
私と経営者は、蒼風の忠告を忘れてしまった時点で、2025年での終焉を、避けられなかったのかもしれません。
それは道義的な意味でも、運勢的な意味でも。
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