第15話

ここから2章?明日香を中心に書いていきます。


文章の添削にGoogleGeminiを使ってみました。

多少違和感があるかもしれません。


――――――


三月最後の休日。僕たちは花見に来ていた。メンバーは僕の両親と、明日香の家族。場所は近所でも有名な花見スポットだ。石積みの護岸が続く川沿いを、千本を超える桜が咲き誇っている。


一本の大きな桜の下に陣取って、僕たちは重箱を囲んでいた。母さんと明日香のお母さんが作ってきたおにぎりや、唐揚げ、卵焼きといった定番のおかず。それと屋台の焼き鳥。これは缶ビールを片手にした父さんたちのつまみになっている。


「いやー、二人とも合格おめでとう!」

「ええ、まことにめでたい!」

「それもこれも明日香ちゃんが翔太の勉強を見てくれたおかげですよ」

「いえいえ、明日香が役に立ったなら何よりです。うちは共働きで放任しているので、斎藤さんにはいつもご迷惑をかけています」

「それはお互い様でしょ。それより、明日香ちゃんは首席合格って聞きましたよ? いやあ、自慢の娘さんだ」

「ははは! まあ、鼻が高いですよ」

「「わははははは!」」


今の会話のどこに笑うところがあったのか。それを聞いたところでムダだろう。なにせ相手は、ほろ酔い気分の酔っ払いだし。


そうそう、さっきの会話にもあったが、僕たちは名門私立中学の受験に合格した。ネットで僕の番号を見つけた時、僕以上に明日香が喜んでくれた。涙ぐんで、抱きついて、キスされた。

R18指定の同人漫画のヒロインである明日香は、ちょっと貞操観念が緩い疑惑がある。最近はキスが習慣化しつつある。僕の方もいけないと思いながらも受け入れてしまっているが、なんとしてでも一線だけは死守せねば。彼女の「初めて」は、将来現れるであろうお金持ちのイケメンとの幸せのために取っておかなきゃ、明日香自身が後悔するからね!


当の本人はといえば、僕の背中に寄りかかって三角座りを決め込んでいた。 視線は桜でも料理でもなく、手元のタブレットに釘付け。覗き見ると、そこにはデジタル化された何らかの文献が映っていた。のたくったような崩れた文字のせいでさっぱり読めないが、どうやら日本語らしい。


本人いわく「異能力関連の書物」らしい。 去年の十一月から、彼女はなぜか異能力の研究に没頭している。いくら天才の彼女でも、マナを持たない「無能力者」なんだから知識の使い道はないと思うんだけどなぁ。そのせいで、彼女が作っていたロボットの進捗が止まっているのが、前世からのロボアニメ好きとしては悲しいところ。合体機構まで再現した前作はマジで神だったのに!続きはよ!


「明日香、行儀悪いわよ。ご飯の時はタブレットしまいなさい」

「……」

「ちょっと、明日香」

「明日香、おばさんがああ言ってるけど?」

「……もうお腹いっぱい。翔太が食べていい」

「だそうです」

「ごめんなさいね、翔太くん。うちの子、最近反抗期みたいで。私の言うことを全然聞いてくれないのよ」

「明日香ちゃんも、それだけ大人になってきたってことですよ」

「そうですかねぇ」


母さんたちの会話を背中で聞き流しながら、明日香はふんと鼻を鳴らした。 彼女の両親に対する塩対応は相変わらずだ。原因は去年の十一月、彼らが彼女の受験先を勝手に決めちゃったことにある。思春期で難しい年頃だってのは分かるけど、そろそろ許してやればいいのになぁ。


ちなみに、前世が社会人の転生者である僕には思春期なんて代物はない。おかげで僕の両親は、子育てについてはストレスフリーじゃないかな。……我が家に幼馴染の少女だけでなく、異能力者の少女が頻繁に転移してくるという現状から、全力で目を逸らさないといけないけど。ねえ母さん、そんな冷たい目で見ないで! 彼女たちはただの友達なんだって! 二股? 父さん、聞き捨てならないなあ!


「翔太?」


黙り込んだ僕の顔を不審げに覗き込んできた明日香に、僕は意識を戻した。


「どうしたの? 何か気になる?」

「……いや、絶好の花見日和なのに、去年よりずっと人が少ないなと思って」

「そういえば……ちょっと調べてみる」


何となしに言った疑問を、明日香が手慣れた手つきでタブレットで調べてくれた。SNSに、近所にある一軒家の写真が次々と投稿されていることが分かった。数日前にそこに出現した「C級悪魔の巣」の討伐が、少し前から進行中なのだとか。そして、その討伐にあたっている異能力者の名前を聞いて、僕は声を上げた。


「スターズ!」

「翔太、知ってるの?」

「知ってるも何も! 前にさ、『異能力者はモテる』って話したでしょ? 僕だって女の子にモテたくて――」


ドスッ。

明日香の肘が、僕の無防備な脇腹にクリティカルヒットした。


「……女の子に、モテたくて……」

(ドスッ)

「女の……」

(ドスッ)


「話が進まないし、食後の脇腹は本当に勘弁して! 出ちゃうから!」

「……まあ、いい。それで?」

「雑誌『MANA』って知らない?十代から二十代の女性に圧倒的人気で、若手男性異能力者のグラビアや特集がメインなんだけど、今一番熱いのがそのスターズなんだ」

「ふーん」

「三人組のパーティーで、全員高校生。なのにB級悪魔を倒せるほどの実力者。グッズ展開もしていて、彼らの書いた御札のレプリカは今やJKの必須アイテムになるくらい社会的ブームになっている…って、明日香は全然興味なさそうだね。君の好きなイケメンだよ?」


明日香が顔を寄せ、僕を全力で睨んでくる。


「興味ない」

「そっか。明日香のストライクゾーンは『お金持ちのイケメン』だもんなぁ」

「……翔太のバカ」


ぼそりとそう言うと、明日香は再び画面に没頭し始めた。 僕はといえば、ちょっとスターズのことが気になってきていた。彼らを見れば、大勢の女の子を熱狂させるモテの秘訣が分かるかもしれない。これは行くしかない!

僕が立ち上がると、支えを失った明日香が体をそらしながら僕を見上げた。


「どこに行くの?」

「スターズを見に行ってくる」

「はあ? わざわざ男を見に行くわけ?」

「最高の手本を見物にね」


父さんたちに「ちょっと散歩してくる」と伝えて歩き出すと、明日香が当然のように後ろからついてきた。


「ん? 明日香もスターズに興味が出てきた?」

「一ミリもない」


即答すると同時に、明日香は僕の腕をがっしりと抱き込んできた。 最近、彼女は外出すると自然に腕を絡めてくるのだが、正直これには困っている。明日香は誰もが振り返る美少女だ。道行く人々はまず彼女の容姿に見惚れ、次に隣にいる僕を見て、なんとも微妙な顔をする。「あいつが彼氏?」というチクチク突き刺さる視線がとにかく痛い。


もし明日香が本当に彼女なら「どうだ、僕の彼女はすごいでしょ」と胸を張れるかもしれないが、僕たちはあくまで幼馴染だ。そう説明して回るわけにもいかないし、何より彼女が腕を離してくれない。僕は諦めてそのまま歩くことにした。


風が吹き、舞い散る花びらを目で追っていると、隣を歩く明日香の横顔が視界に入る。 彼女の髪型は、僕が好きなロボットアニメのヒロインを真似ている。画面から飛び出たようなという表現があるが、むしろ僕は彼女の方が……と考えていたら視線に気づいたのか、明日香がこちらを見た。


「何?」

「あ、いや。……キレイだなと思って、見惚れてた」

「ぬふふ、桜に?」

「分かってて言ってるでしょ」

「ぬふふ」


ニヤニヤと笑みを浮かべ、明日香はさらに腕を絡めてくる。僕たちは桜が舞い散る中、スターズがいるという現場へ向けて歩を進めた。


僕と明日香は、小高い護岸から延びる階段の上に立つ。 眼下を見下ろすと、階段下に凄まじい人だかりがあった。車線のない道路は、溢れ出したファンで埋め尽くされている。


「うわっ、人多すぎでしょ。これ、車とか危なくない?」

「見て、あそこ。交通規制が敷かれてある」

「あ、本当だ。前もって想定済みってわけか」


スターズは芸能事務所に所属している。おそらくそのスタッフが交通誘導やファンの抑えをしている。

肝心の悪魔の巣はといえば、一軒家の屋根をぶち抜いてアメジスト色の巨大な結晶体がそびえ立っていた。窓や壁からも結晶の一部が無残に貫いている。以前見たD級のものより一回りも二回りも大きい。


「あれがC級の悪魔の巣か。一気にでっかくなるなぁ」


ほどなくして、壁が崩れ中の結晶があらわになっている近くの空間がぎゅるっと渦を巻く。空間はすぐに元に戻り、そこにスターズが立っていた。 巣の中の悪魔を全て倒し終わり、召喚陣も破壊したのだろう。三人組の登場に、女性ファンたちが一斉に沸き立った。三人は不活性化された悪魔の巣を後にして人だかりを分け入っていく。中でも、先頭を歩く少年の人気は別格だった。


「キャー! アツシくーん!」

「こっち見て! アツシ!」


北条敦。異能力者の名門中の名門「五大家」の一つ、北条家。その現当主の三男だと聞いている。

女性たちに眩しい笑顔を振りまいていた北条敦の目が、不意に階段上にいる僕たちへ向いた。そして、こちらに向かってウィンクを投げたのだ。不覚にも、僕の心臓がトゥンクと高鳴る。


「……キッショ」

「すいません!すいません!男相手にトゥンクしちゃうキショい男で本当にすいません!」

「翔太のことじゃない。あの男のこと。……なんであんな奴にトゥンクしてんの? 翔太は私にだけ、毎秒トゥンクし続ければいいの」

「それ、心臓に悪すぎて死んじゃいます!」

「なら、適度にトゥンクして。……もう行こ」


いまだこちらを見上げてくる北条敦の視線を振り切るように、明日香は僕の腕を引いて歩き出した。

帰り道、僕は思い返していた。身体強化で強化された僕の視界に映る北条敦は、いい体をしていた。 いや、変な意味じゃなくて。高校生ゆえの線の細さはあるが、将来的に間違いなく細マッチョに成長するだろう。 そこでふと、同人漫画『当たり前に寝取られる僕』を思い出す。漫画では、幼馴染編でも異能力者編でも、寝取り役のイケメンの顔ははっきり描かれていない。輪郭だけだった。 異能力者編において一色未来があへあへすることになる「細マッチョのイケメン」とは、まさに北条敦のような人物なのではないか――。僕はそんな思いを抱いたのだった。


――――――


細マッチョイケメンの登場!


Geminiさんがすごい楽。文章を書く労力がぐっと減る。最初からこれ使えばよかった…。



(2026/01/12 追記)

細マッチョのイケメンの名前について。同名の有名人の方がいらっしゃるということで、名前を変更しました。名前を決める際はネットで調べないといけないと学びました。


変更後)北条敦(ほうじょう・あつし)

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三女神の狂愛~当たり前に寝取られる同人漫画の世界で生きる僕の記録~ けんとーし @kentoshi

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