20代のころ、競走馬の生産が盛んな地域で取材する仕事をしており、馬、競走馬、競馬について学ばせていただきました。馬は実に人を見ています。人にむやみに媚びない、賢い動物です。主人公の芦毛の馬の様子が、目の前にまざまざと浮かぶように描写され、大変懐かしく読ませていただきました。成功だけではない。競走馬も人も。50代の当方。味わい深い余韻が残りました。
芦毛という存在の「賢さ」や「人を見ている感じ」が、静かな語り口の中から自然と伝わってくる作品です。競馬や馬に詳しくなくても、人と動物の距離感や、記憶に残る出会いの温度が心に残ります。
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