逆転世界俺はハーレム作る

しろたま

第1話はじまり

目を覚ました瞬間、俺は見慣れたはずの教室にいた。

机、黒板、制服,どれも現代日本の高校そのものだ。

ただ一つ、決定的に違うものがあった。


教室の中心にいたのは、俺の世界なら“ブス”と呼ばれる太った女子だった。

彼女は笑いながら談笑し、まるでアイドルのように周囲から羨望の視線を浴びている。

一方で、痩せて整った顔立ちの女子は隅に追いやられ、嘲笑の対象になっていた。


「……なんだこれ」

思わず声が漏れる。

俺の世界なら“美人”と呼ばれるはずの女子が、ここでは“ブス”扱いされている。

逆に、俺の世界なら“ブス”とされる女子が、この教室の中心にいた。


男子は普通だった。

イケメンはイケメンとして人気があり、ブサメンはブサメンとして扱われている。

そして俺は──そのどちらでもない、ただの“普通の男子高校生”。

特別にモテるわけでも、嫌われるわけでもない。

ただ、この世界の価値観に戸惑いながら、日常に放り込まれてしまった。


「顔が整いすぎて気持ち悪い」

隣の女子が吐き捨てるように言ったのは、痩せた美人の子に対してだった。

俺は背筋に冷たいものが走った。

──ここは美醜の価値観が逆転した世界。

しかも、逆転しているのは女性だけ。

高校一年生として、この狂った価値観の中で生きていかなければならない。


昼休み、クラスの男子たちは普通に談笑していた。

「やっぱり佐藤さん、最高に美しいよな」

指差されたのは、俺の世界なら“ブス”とされる太った女子。

彼女は笑顔で弁当を頬張り、周囲の男子から黄色い声援を浴びていた。

俺は思わず視線を逸らした。

──俺の常識では理解できない。だが、この世界ではそれが当たり前なのだ。


放課後、校門を出るとき、痩せた美人の女子が一人で歩いていた。

彼女は小さくため息をつき、俺に気づくと驚いたように目を見開いた。

「……あなた、普通に話しかけてくれるの?」

その言葉に、俺はハッとした。

この世界では彼女のような“美人”は蔑まれ、孤立している。

だが、俺の価値観では彼女こそが美しい。

その瞬間、俺の中に奇妙な確信が芽生えた。


「面白いじゃないか……この世界で、俺なりのハーレムを作ってやる」

俺は小さく笑った。

価値観が逆転したこの世界で、俺の常識を武器にしてみせる。

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